2023.10.10

井上誠耕園、オリーブ製品の通販主体で売上100億円近くに 媒体特性生かし魅力発信

広報担当・斉藤仁美氏

香川・小豆島で農業を営む井上誠耕園は、カタログとECサイトの両軸でオリーブオイルや化粧品の通販を主体に事業展開している。2019年5月期は79億円だった売上高は、2022年5月期には97億円にまで拡大した。カタログでは生産者の思いや商品の価値などを丁寧に伝え、ECサイトでは動画で商品の魅力や使い方を発信し、ファンを年々拡大している。

ECサイト「井上誠耕園」では、食用のオリーブオイルや天然美容成分を生かした基礎化粧品の販売を行っている。季節ごとにさまざまなフレーバーのオイルを販売している。


▲オリーブ製品

同社はフレーバーオイルに力を入れており、レモン、バジル、にんにく唐辛子、ローズマリーなど、種類は豊富だ。他社ではあまりないようなフレーバーが多く、差別化できているという。

「ECサイトでは、旬の魅力をすぐに伝えられる。フレーバーオイルは特に、食べ方が難しいものもあるため、お薦めの食べ方のページを作っている。今年7月にサイトをリニューアルし、主力商品にはお薦めの食べ方を掲載するようにしている」(広報担当・斉藤仁美氏)と話す。

ECサイトは特にビジュアルを重視しているという。社内でページに掲載する画像を撮影し、見せ方を工夫している。

「写真だけではなく、動画にも注力している。カタログでは出せない収穫の様子など、魅力を発信している。臨場感がより伝わりやすくなっていると思う」(同)と言う。


▲収穫の様子

ECサイトでは、月ごとにキャンペーンなども行っている。送料無料や、ノベルティーを付けたりしている。オリーブを収穫する11~12月の旬のシーズンには毎年、全商品10%割引も提供している。

カタログは毎月、発行している。新聞の折り込み広告などからカタログ通販の利用客を獲得している。60代が主要なターゲットだという。

全国の農家とのつながりや、生産背景などストーリー性のある情報を伝える媒体にしている。

「商品を選ぶ基準として、生産者の思いが伝わると良い。どういう思いで作られているかなど、読み物として掲載することで、当社が伝えたいことを汲み取ってくれていると思う」(同)と言う。

生産者の笑顔や収穫の様子の写真と、ボリュームのある文章で伝えることで、ファン作りもできているという。実際に顧客からの反響も良い。

今後は、全国的に衰退しつつある農業を盛り上げたいという。全国の農家を訪問し、取材をして、魅力を伝えていく予定だ。新商品などの魅力も紙媒体とオンラインの双方で伝えていきたいとしている。






RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事