2023.08.23

関通、食品物流の北王流通へ「WMSクラウドトーマス」を提供 食品EC向け物流サービスで協業

物流サービス事業ならびにITオートメーション事業を展開する関通はこのほど、自社開発のWMS「クラウドトーマス」を食品流通に特化した運輸・倉庫業を手がける北王流通への提供を開始した。これに伴い、「食品向けワンストップ物流サービス」の協業を開始する。両社の強みをかけ合わせることで、食品、飲料、酒類市場におけるさまざまなソリューションの提供を目指す。

関通はこのほど、北王流通へのWMS「クラウドトーマス」の提供を開始するとともに、「食品向けワンストップ物流サービス」の協業を開始した。

経済産業省の調査によると、食品、飲料、酒類は市場規模はNo.1と大きい一方で、EC化率は3.77%と低く、今後大きな成長が見込まれている。関通が提供する冷凍冷蔵配送センターサービスは、ケースピッキングだけでなく、バラピッキングにも対応し、バラピッキングでは年間約50万点の出荷実績を持つ。関東関西にて冷凍冷蔵倉庫を持ち、顧客の販売拡大に対応したさまざまな販売形態にも対応している。

【令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)】

▲出典:経済産業省

一方、北王流通は、食品物流やECサイト物流などの事業を展開しており、食品物流に特化したノウハウと設備を強みとし、コールドチェーンシステムを導入して食品の鮮度を保ったままの輸送・保管を実現している。

現在の冷凍冷蔵の輸送は、選択肢が少なく、運賃においても高騰している。関通にも冷凍冷蔵の問い合わせが多く寄せられており、冷凍冷蔵倉庫がほぼ満床になるなど引き合いが多い。

こうした状況を受け、庫内オペレーションのノウハウやWMS等のシステムを強みとする関通と、冷凍冷蔵の輸送インフラや冷凍冷蔵倉庫のキャパシティーを強みする北王流通は、協業により両者の強みをかけ合わせることで、様々なソリューションの提供ができるとの考えを示した。



具体的には、北王流通の既存顧客へのEコマース等の対応の実現、関通における冷凍冷蔵での共配網の構築などにより、両社の顧客に対する冷凍冷蔵物流サービスの範囲の拡大を図る。

冷凍冷蔵の配送は、冷凍食品の技術向上が進むなか、ドライバー不足や配送リードタイム、インフラの依存などの課題もあるが、北王流通と関通で冷凍冷蔵の共配網を構築することにより、これらの課題をクリアするだけでなく、コスト面でもメリットとしており、まずは首都圏から共配網の構築に着手する。

両社のこうした取り組みにより、様々なニーズに対応できる体制を整え、スムーズな物流サービスの提供を目指す。さらに今後の食品、飲料、酒類の市場規模の拡大とEC化率の向上に向けた対応を可能にし、両社のビジネスチャンスを広げることができるとしている。




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