2023.07.14

「きなり事件は序章に過ぎない」 消費者庁が複数の機能性表示食品に「確認」実施か?「DHA・EPA」など3種以外で

機能性表示食品の撤回続出は必至

消費者庁はこのほど、SRで届け出がされている複数の機能性表示食品について、届け出資料を確認するよう、個別の事業者に連絡していることが分かった。6月30日にさくらフォレストに対して行った措置命令で、消費者庁が「機能性の根拠として合理性が認められない」とした、「DHA・EPA」「モノグルコシルヘスペリジン」「オリーブ由来ヒドロキシチロソール」の三つの機能性関与成分とは、別の成分を含む製品が、声掛けの対象となっているようだ。専門家からは、「きなり事件は序章に過ぎない」といった声も上がっている。

業界関係者によると、消費者庁は、「きなり」に配合されていた3つの成分以外で、少なくとも二つの成分について、それらを含む機能性表示食品の届け出事業者に、“確認”を行っているようだ。SR(研究レビュー)で届け出を行っているものを対象としており、「研究レビューで採用した論文の試験デザインに不備がないか」などを確認するよう求めているという。

消費者庁では、「きなり」以外の機能性関与成分に“確認”の声掛けを行っているかどうかについては、明らかにしていない。「機能性の届け出の根拠資料に疑義があれば、これまでと同様、個別の事業者に確認は行っていく」(食品表示企画課)と話している。

消費者庁は、「きなり」に対する措置命令の中で、「『きなり』と同種の届け出を行う機能性表示食品について、届出を行う事業者に対して、確認を行う」と発表していた。確認の対象となるのは、①「DHA・EPA」を機能性関与成分として届け出ている機能性表示食品で、配合量が「きなり」以下となっているもの②「DHA・EPA」「モノグルコシルヘスペリジン」「オリーブ由来ヒドロキシチロソール」のいずれかを含む機能性表示食品で、SR(システマチックレビュー)で届け出を行っているもの――としている。88製品あるとしていた。

消費者庁は7月3日、88製品の届け出を行った事業者に対して、7月17日を期限として、「SRの論文の試験デザインに不備はないか」などの確認を求める通知を、一斉に行っていた。

機能性表示食品制度に詳しい、リーガルエックスの関山翔太代表取締役は、「『きなり事件』と『88製品に確認を行う』という件は、序章に過ぎない」と話している。

消費者庁はこれまでも、複数の機能性表示食品について、届け出資料の不備を指摘して、事業者に撤回を求めたケースがあるといわれている。今後、機能性表示食品の届け出の撤回が相次ぐ可能性がある。






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