2023.06.30

観葉植物EC「&Green」、直近5ヵ月間の売上は約2.7倍 商品の個別提案、広告施策の工夫で飛躍

「&Green」立ち上げメンバーの尾山翠氏

サントリーフラワーズは観葉植物のECサイト「&Green(アンドグリーン)」の売り上げを着実に伸ばしている。2023年1-5月期のEC売上高は前年同期と比べ約2.7倍に伸長した。観葉植物の生産体制を整え、ネット広告などで認知を広げたことが奏功した。

「&Green」では、注文者の好みの観葉植物3種類を組み合わせて販売する「Custom Set(カスタムセット)」、オリジナルのテーマに沿った3種類の観葉植物をセットにして販売する「Original Set(オリジナルセット)」などのプランを用意している。

どの観葉植物を選べばいいか分からないユーザーがいると想定し、パーソナライズ診断で最適な商品を提案する「Find My Green(ファインドマイグリーン)」の機能も用意している。

「観葉植物が好きな人、初めてチャレンジする人など、多くの人に利用してもらいたかった。そのため、初めての人にも寄り添う意味でパーソナライズ診断機能も用意した」(「&Green」立ち上げメンバーの尾山翠氏)と説明する。


▲ECサイトからはパーソナライズ診断も可能

ECサイトを開設した2021年10月から現在にかけて、多くの問題を乗り越え、事業を拡大してきたという。「最初はサービスの認知向上と顧客獲得がうまくいかなかった」(同)と振り返る。

認知度を高めるため、ネット広告やSNS広告のA/Bテストを繰り返し、費用をかけすぎることなく、集客、購入につながる方程式を導き出したという。

「一例だが幅広い層からの購入を目指したため、20代~50代に広告を配信した。配信層を細かくセグメントするのではなく、広告のクリエーティブに工夫を施した。過去に観葉植物を枯らしてしまった人に向けて、当社の商品は枯れにくい商品であることを記載し、しばらく観葉植物を購入していない層からの再購入を促した」(同)と説明する。

広告の配信を強化したことで、多くの消費者からの購入につながった。次の問題は花の生産体制だったという。

「花は大雨や高温など天候面の影響をじかに受けやすく、大量生産しにくい商材だ。広告経由で多くの消費者が流入してきたが、需要と供給のバランスを取るのが難しくなった。生産者は通常の商品のほかに、『&Green』専用商品も開発している。初めて作る商品の場合は、生産に苦労することも多い。だが、最近では、仕入れ元の生産者は、一度開発した経験から、安定して生産できるようになり、天候の影響があっても、納期を多少遅らせるくらいで対応できている」(同)と話す。

さらに「万が一、商品供給に不安を感じるときは、広告の出稿を抑えている。一方、生産量が豊富なときは広告の出稿を増やして、バランスを取っている」(同)と明かす。

今後も、引き続き観葉植物の種類の拡充とともに、新たな花の楽しみ方を提案していく考えだ。





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