2023.06.27

「究極のブロッコリーと鶏胸肉」代表が語る「Shopifyを使った飲食ブランドの新しい広げ方」


近年、飲食業界においてEC(電子商取引)活用が増加しています。特に、コロナ禍による外出自粛やテイクアウト需要の増加により、オンラインでの飲食体験が注目を集めており、例えば、

・有名なコーヒーチェーン店がオンラインショップを開設
・大手ファストフードチェーン店が、デリバリーサービスを強化
・有名シェフが監修する料理キットのEC販売
・オンラインでの料理教室

など、単純なオンラインショップ開設から、自宅での本格的な食体験を提供するサービスまで、飲食のEC活用は幅広く人気を博しています。EC活用により、消費者はより便利に、より手軽に、より豊富な食体験を得ることができ、一方で、飲食業界も、ECを通じて新たな顧客層の開拓や、需要の拡大につながると期待されています。

しかし、実際に自社でECをやろうと思っても「なかなかうまく活用できない」「どういったことをやればいいのか分からない」と、いう方も少なくないでしょう。

そこで今回は、日本全国100以上の飲食店と連携し、Shopifyを使ってECと店舗展開を両立させる「究極のブロッコリーと鶏胸肉」を提供するDORAYAKIの塚本洸介代表が、オープンロジ主催のセミナーで語った内容を、DORAYAKIのEC運営を支援するハックルベリーがまとめました。



「渋谷のバーの間借り」から、全国100以上の飲食店と連携するQBT



DORAYAKIが提供する食品ブランド「究極のブロッコリーと鶏胸肉」(以下、QBT)は、「ストイックな低糖質食を誰でも継続して食べられるように」と、徹底的に拘ったまさに「究極の」ブロッコリーと鶏胸肉だけを提供しているブランドです。


▲「ストイックな低糖質食を誰でも継続して食べられるように」がコンセプト

現在全国100以上の飲食店と連携し、Youtuberの「ヒカル」とも協働するなど、今や大きな注目を集めていますが、初めは渋谷のバーの間借り営業からのスタートでした。

「最初は、渋谷のバーを間借りして、そこでUber Eatsを引くところから始めました。というのも、渋谷で開業しようとすると最低でも初期投資で1000万円以上かかりましたし、私は元々IT業界に10年ほどいて、飲食の経験もなかったため融資も受け辛かったんです。」と塚本氏。


インフルエンサーの「バズ」により一気に注目を集めた


Youtuber「ヒカル」をはじめとしたインフルエンサーによりQBTは一気に広まることとなる。


▲Youtuberのヒカル氏(左)と塚本代表(右)

その後、QBTは急速に人気を集め、一気に全国100店舗以上に展開しましたが、急成長の要因は「インフルエンサー」の存在が大きいと塚本氏は語ります。

「ヒカルさんを始めとしたインフルエンサーさんに取り上げられたことで、急速に多くの方に商品を知ってもらえました。インフルエンサーさんに取り上げて貰えたのは、半分想定外でしたが、コンセプトとして掲げていた『ストイックな低糖質食を誰でも継続して食べられるように』というところが、特にボディメイクや体型管理に敏感な芸能人やインフルエンサーに刺さった結果なのかなと思っています」


「顧客の生の感情」を見つめて考えることが重要


ここで、重要だと思うのは「お客さんの生の感情を見つめたプロダクトコンセプト」です。QBTは「ストイックな低糖質食を誰でも継続して食べられるように」というコンセプトの元、「痩せたい」「体型を維持したい」といった、「お客さんの生の感情」に基づいたプロダクトになっています。

ECにおいて、最も重要なことは、感情だと僕は考えています。「誰に、どんな気持ちになってもらいたいのか」を考え抜き、「そういう気持ちになってもらえるだろう」というプロダクトを設計したり、企画を考え、実行することでしか顧客の購買意欲を掻き立てることはできないのです。それができればどんな形であれ、かならず反響が返ってきます。

QBTの場合は、その掲げた「コンセプト」がインフルエンサーに響き、彼らを通じて多くのユーザーに届き、瞬く間に人気食品ブランドとしての地位を築いているというわけです。


「集客」と「ファン作り」、異なるインフルエンサーの存在


加えて、「インフルエンサー」の存在は新しい人を呼び込む「集客」と固定顧客を作っていく「ファン作り」の2つの軸で考えるべきです。「QBT」の場合は、「集客」の文脈におけるインフルエンサーの効果が目立ちましたが、商品を好きになり、リピート購入してくれたり、友達に勧めたりしてくれるのは、「普通のユーザー」です。

現代においては、SNSを使った「センセーショナルな拡散」が注目されますが、見えにくい「人伝いの小さな拡散の数々」も、実は同じくらい重要でインパクトがあります。

「インフルエンサーマーケティング」もいいですが、「どうしたら友達に勧めてくれるか」「どうしたら買いやすくなるか」など、普段使ってくれる人のことを考えた設計は、いつの時代もとても重要だと僕は思います。

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