アンティークコイン(古銭)を輸入販売しているアンティークコインギャラリアは、顧客との対話に注力し、ECサイトの売り上げも伸ばしている。オンライン相談やブログに加え、オフラインでのイベントや商談などを実施。売り上げは2012年の創業から約20倍になっている。
明確な定義はないというが、同社では100年以上前に発行された硬貨をアンティークコインとして取り扱っている。近年は収集目的だけでなく、投資目的で売買されるケースが増えている。ただ、不正確な情報も多く出回っているという。
同社はユーチューブでコインの歴史や投資目的での売買の基礎知識などを渡部代表が説明している。動画から流入してくる新規ユーザーが多い。
「アンティークコインは長い歴史の一部で、未来へ受け継ぐものだと思っている。すぐに買わせようと陰謀論のようにあおるのではなく、長い目で見て、正しい情報を伝えている」(渡辺孝祐代表)と語る。
▲ コインはスラブ(ケース)で保管する
同社では購入前の段階で「LINE」や「Google Meet」でコインの選び方などの相談に応じている。月1回の対面勉強会は毎回満席になるほど好評だ。
ECで購入する人もオンラインやオフラインで同社の説明を聞いたり、相談してから注文するケースが多いという。
「商品そのものでは差別化ができない。そうすると『どこの誰から買うのか』が大切になるので、体験価値としてのコミュニケーションを重視している」(同)と話す。
商品に手書きのメッセージを同梱するなど、購入後のコミュニケーションにもこだわっている。
今後、さらに事業を拡大するために、アンティークコインのオークションを開催することを視野に入れている。アンティークコインは資産価値だけではなく、デザインやロマンでコレクターの所有欲をくすぐるため、市場はこれからも成長していくとみている。
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