2023.02.26

アパレルECサイトのNPS1位は「MAGASEEK」 NTTコム オンラインが調査

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは2月22日、アパレルECサイトを対象としたNPSベンチマーク調査2022の結果を発表した。最もNPSが高いのは「MAGASEEK」で、公式アプリの使いやすさや商品の探しやすさといったサービスの機能面の評価が高く、NPS1位につながった。

業界全体ではアパレルECサイトならではの幅広いブランドの取り扱いによる商品の豊富さや、セールやポイントの貯まりやすさといったコストパフォーマンス、公式アプリの使いやすさがロイヤルティを高める要因となった。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは、NPSを活用した顧客ロイヤルティ向上のためのトータルソリューション(NPSソリューション)を提供。NPS(Net Promoter Score)とは、「友人や同僚に薦めたいか?」という質問への回答から算出される、顧客ロイヤルティを測る指標で、欧米では公開企業の3分の1がNPSを使用しているといわれている。日本においても顧客満足度にかわる新しい指標として活用する企業が増えてきている。

「NTTコム オンライン NPSベンチマーク調査」は、NPSの指標を共同開発した米国サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems)の調査手法に基づき実施している調査で、人口構成に沿ったモニター抽出を行い、信頼性の高いデータを各業界のNPSのベンチマーク(基準)として発表するとともに、業界リーダーとなる1位企業の表彰も行っている。

1月12日~1月18日には、「Amazon Fashion (アマゾンファッション)」「MAGASEEK (マガシーク)」「Rakuten Fashion(楽天ファッション)」「SHOPLIST.com by CROOZ (ショップリスト)」「ZOZOTOWN」「マルイウェブチャネル(マルイのネット通販)」のアパレルECサイト利用者に対し、アパレルECサイトを対象としたNPSベンチマーク調査を実施した。有効回答数は2159名で、性別は男性が38.0%、女性が62.0%。

対象のアパレルECサイト6社のうち、NPSのトップは「MAGASEEK」(-13.7ポイント)となった。2位は「ZOZOTOWN」(-15.6ポイント)、3位は「SHOPLIST.com by CROOZ」(-16.5ポイント)だった。対象6社のNPS平均は-20.1ポイントで、トップ企業とボトム企業の差は15.5ポイントとなった。

アパレルECサイトのロイヤルティの要因を19の項目別に分析したところ、業界全体では「ブランドや商品の品揃えの豊富さ」や「サイズ表記や身長別の着丈など商品の掲載情報の詳細さ・正確さ」「自分にあったサイズ・大きさの商品がある」といった取り扱っている商品の品揃えや掲載情報に関連する項目、「コストパフォーマンスの良さ」といった点がロイヤルティ醸成に寄与する結果となった。

【業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)】


推奨理由の自由記述においても、コストパフォーマンスの満足度が高い利用者では「好きなブランドがポイントを使って購入できたり、貯められるため」「取り扱っているブランドが多くあり、ポイントを使って購入できるから」といった、アパレルECサイトならではの幅広いブランドの取り揃えと、それら商品の購入においてもポイントを貯められる・使用できる点を評価する声が見られたとしている。また、「公式アプリのわかりやすさ・使いやすさ」もロイヤルティの醸成につながった。

一方で、ロイヤルティを向上させるために今後改善が期待される項目は、生地感や着用感といった「写真から実際の商品イメージがつきやすいこと」のほか、「おすすめ機能・レコメンデーションの適切さ」「欲しい商品の探しやすさ・検索のしやすさ」といったサービスの機能面に関連する項目となった。

NPS1位となった「MAGASEEK」は、「公式アプリの使いやすさ」において評価が高かったほか、業界全体の課題項目であった「写真から実際の商品イメージがつきやすいこと」や、「欲しい商品の探しやすさや検索のしやすさ」、おすすめ機能レコメンデーションの適切さといった機能面でも高い評価を獲得した。2位のZOZOTOWNは「ブランドや商品の品揃えの豊富さ」において、3位のSHOPLISTはコストパフォーマンスの良さがそれぞれ評価され、NPS上位の結果となった。

本調査の対象のアパレルECサイトにおいては、Webサイトのほか公式アプリの提供も行っている。ブランドや商品の検索・購入、プッシュ通知によるクーポンやセールなどの情報発信、アプリに限定したイベントの開催など、アプリの使いやすさや購入のしやすさなどの機能性を高めることで、購入体験のさらなる向上を進めている。公式アプリの利用経験についてたずねた結果、全体の51.9%が公式アプリを利用している結果となった。

【公式アプリの利用有無】


さらに公式アプリの利用有無別にNPSを分析したところ、公式アプリ利用者のNPSは-10.4ポイントとなり、公式アプリ非利用者に比較して高い結果となった。

【公式アプリの利用有無別NPS】


公式アプリ利用有無別に、Webサイトやアプリでの商品検索や購入といった機能に関連する5つの項目ごとに満足度平均を比較したところ、最も差が大きかったのは「おすすめ機能・レコメンデーションの適切さ」だった。次いで「欲しい商品の探しやすさ・検索のしやすさ」が続いた。公式アプリの利用者からは、自由記述においても「おすすめ商品が参考になる」「自分の好みに合わせた検索方法が簡単にできる」といった声がみられ、公式アプリの利用が商品の探しやすさや購入のしやすさにつながることが示唆される結果となったとしている。

【公式アプリの利用有無別の機能に関する満足度比較(5項目)】


対象のアパレルECサイトを利用する目的についてたずねたところ、「店員の接客がなく、じっくりと商品を探して購入できるため」が43.4%と最も多い回答を得た。次いで「自分が必要としている商品だけを購入することができるため」(42.8%)、「実店舗に比べて商品が探しやすいため」(35.2%)といった理由が続いた。

【アパレルECサイトの主な利用目的】


一方、アパレルECサイトの利用において今後求めている機能についてたずねた問いでは、機能としては「自分の体形やサイズを簡単に測定できる機能」が31.1%と最も多い結果となった。次いで「オンライン上で自分が試着したイメージをできる機能」(25.9%)、「過去の購入履歴から、自分の好みやサイズをお薦めしてくれる機能」(22.1%)と続いた。

【アパレルECサイトの利用において求めている機能】


対象のアパレルECサイトにおいて、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.4ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均7.8ポイント、また「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は5.6ポイントとなり、推奨度が高いほど、継続利用意向が高くなる結果となった。

【推奨セグメント別継続利用意向】






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