2023.02.15

アリババ、中国でプレミアムペットフード市場が急成長 若年・女性・富裕層のペット飼育率拡大

アリババは2月13日、中国BtoCマーケットプレイス「Tmall(天猫、Tモール)」や、越境ECプラットフォーム「Tmall Global(天猫国際、Tモールグローバル)」などの自社ECプラットフォームにおいて、若年層、女性消費者、富裕層によるペット飼育率増加に伴い、プレミアムペットフードに対する需要が過去7年間で急成長したと発表した。

アリババグループとC2 Capital Partners発表した「中国における輸入ペットフード市場白書2023」によると、1kgあたり7ドル(約900円)以上の商品と定義されるプレミアムペットフードの売上は、昨年の「天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバル」でペットフードカテゴリー全体の売上を上回る伸びを見せた。

「Tmall」では、プレミアム輸入ペットフードブランドが40%の売上増加を達成。ペットフードカテゴリー全体の25%よりも遥かに高い伸びを記録した。また、越境ECプラットフォーム「Tmall Global」のペットフードカテゴリーにおける商品数は、2016年の時点ではわずか140点ほどだったが、現在では2000点以上が販売されている。消費者は高い栄養価があるとされる生のペットフードやフリーズドライの商品へと関心を広げている。

中国のプレミアムペットフード市場の急成長の背景には、若年層のなかでも特に女性や都市部に住む富裕層の間でペット飼育が増加していることが挙げられる。特に若い女性層はペットをとても大切に扱う傾向にあり、ペット1匹あたりのペットフードへの平均支出は過去6年間連続で毎年15%増加している。

「Tmall Global」で輸入ペット商品のマーケティングを統括する譚辰氏は、「中国の消費者はペットを家族の一員として捉えており、最高の食事を与えるべきだと考えています。このような認識の変化が、ペットの健康を促進するプレミアムペットフードの人気を後押ししています」と述べている。

コンサルタント会社ベイン・アンド・カンパニーによると、中国のペット飼育率は米国の約半分であるにもかかわらず、米国に次ぐ世界第2位のペットフード市場となっており、市場規模は2016年から2021年にかけて3倍までに拡大している。一方で、中国は他の先進国に比べてペット飼育率が低いことから、同国のペットフード市場は成長の初期段階にあると言える。ベイン・アンド・カンパニーによると、中国のペットフード市場は2021年の80億ドル(約1兆340億円)から、2025年には160億ドル(約2兆563億円)までに成長すると見込まれている。

アリババも、中国のプレミアムペットフード市場が年々拡大するなか、特に海外ペットフードブランドに対する需要の高まりを予測しており、日本を含む海外ブランドが中国市場に参入する際の最初の窓口としての役割を担うことで、海外ブランドへの支援を継続していくとしている。




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