2022.11.10

景品表示法検討会、調査に非協力な事業者の違反行為を推定する案も これまでの論点を整理

違反行為の調査に非協力的な事業者の違反を推定する案も

消費者庁は11月9日、景品表示法検討会の第8回会合を開催した。同会合では、これまでの議論の論点を整理した「今後の検討の方向性(案)」を公開。「方向性(案)」には、違反行為の調査に非協力的な事業者の違反行為を推定する案も盛り込まれた。違反があった事業者が自主的に改善計画を行政に提出すると罰則の免除などを受けられる「確約手続き」の導入にも言及。一定期間内に違反行為を繰り返して、事業者に対してより高い算定率の課徴金額を算出する方針などもが盛り込んでいる。

「検討の方向性(案)」では、これまでの検討会で、「年内をめどに取りまとめを行う」論点として示されていた①確約手続きの導入②違反行為に対する抑止力の強化(課徴金の割増算定率の適用)③適格消費者団体との連携――などについて、具体的な方向性(案)を示している。

違反行為を行った事業者が、消費者庁の調査に応じず、資料を提出しないなど協力的でなかった場合、違反行為があったと推定する規定を設けることも盛り込まれた。

消費者庁によると、違反行為があったと推計する規定については、検討会で反対意見がなかったことから、報告書に盛り込まれる可能性が高いとしている。

「確約手続きの導入」については、独占禁止法の確約手続きの運用を例に、「対象となる事案」「返金措置の位置づけ」「確約計画の公表」「確約計画が履行されなかった場合の対応」などが、導入に当たっての検討事項として挙げられた。

これまでの検討会では、確約手続きについて、確約計画を提出した事業者名を公表するか否かも論点となっていた。消費者庁によると、事業者名の公表については、導入後の運用基準の策定において決定していくことになるとしている。

「課徴金の割増算定」については、悪質事業者に対する課徴金算定率を引き上げることなどが盛り込まれた。

「適格消費者団体との連携」については、消費者裁判手続特例法の91条を拡充する方針が示された。同法91条では、「特定適格消費者団体の求めに応じ、処分に関して作成した書類で内閣府令で定めるものを提供することができる」と定めている。「方向性(案)」には、同法91条の対象に、景品表示法を加える案が盛り込まれた。

特定適格消費者団体は、多数の消費者に共通して生じた財産的被害について、消費者になりかわって、被害回復裁判手続きを行うことができる。





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