2022.08.21

メルカリ、「中古品への抵抗がない」がコロナ前と同等の53% 「フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」を調査

メルカリは8月16日、メルカリ総合研究所において実施した「2022年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査の結果を公開した。「中古品への抵抗がない」と答えた人は53.0%と前回の調査から5.9pt増え、コロナ前水準に戻ったこと、物価上昇の実感・節約意識の向上は共に85%以上の人が感じていることなどがわかった。

メルカリ総合研究所はこのほど、2018年、2019年、2020年にも実施した「フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査を行った。

前回の2020年9月の調査は、新型コロナウイルス感染症が拡大していた時期と重なったこともあり、中古品を購入・使用することに対する抵抗感が2019年調査比で8.4pt上昇するなど、感染予防対策の観点から中古品を避ける傾向を示唆する結果が得られた。

一方で、2022年8月12日に経済産業省が発表した「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2021年の個人間EC(CtoC-EC)推定市場規模は2兆2121億円となり、前年比12.9%上昇。同調査開始以来、初めて2兆円を超え、継続的に市場が成長していることがわかった。また、昨今の物価上昇など、生活意識・消費行動に大きな影響を及ぼしうる社会状況が生まれている。

こうした、前回調査から2年を経て、消費者の意識にどのような変化が生まれているのかを明らかにすべく、「2022年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査の実施に至ったとしている。同調査は、2022年6月27日~2022年6月28日、全国の20~69歳の男女1000名(フリマアプリ利用者500名、フリマアプリ非利用者500名)を対象に行った。

「商品を購入する際に重視していること」を尋ねた問いでは、「価格」の回答が87.0%と最も多く、「品質・機能」(74.3%)、「信頼性」(46.7%)と続いた。2020年実施の第3回調査との比較では、最も上昇した項目は「信頼性」(+2.6pt)だった。一方、最も下落した項目は「新品であること」(-4.2pt)となった。消費者のサステナビリティやエシカル消費への興味関心の高まりにより、新品であることにこだわらず、中古品をリユースする消費行動が広がりを見せていることが推察できるとしている。



「モノや消費に対する意識」について尋ねた問いでは、「当てはまる」との回答が最も多かったのは、「長期的に使用するモノは新品がいい」だった。一方、第3回調査との比較で最も上昇した項目は「一時的に必要なモノは中古品がいい」(+5.3pt)となった。フリマアプリの利用者・非利用者別にみると、利用者では2.2pt、非利用者では8.4ptの上昇となり、非利用者の上昇率が高いことがわかった。



反対に最も下落した項目は「まだ使えるが不要になったモノは保管しておく」(-7.0pt)だった。フリマアプリ利用者・非利用者ともに、新品・中古にこだわらず、個人のニーズにあったモノを手に入れ、消費した後は保管せずに別の消費者に販売する、譲るといった消費スタイルの広がりが見られるとしている。



中古品の購入・使用への抵抗感について質問をしたところ、53.0%が「中古品の購入・使用に抵抗がない」と回答し、前回調査から5.9pt上昇した。フリマアプリの利用者・非利用者別にみると、利用者では3.8pt、非利用者では8.0ptの上昇となり、非利用者の上昇率が高いことがわかった。

「中古品の購入・使用に抵抗がない」と回答した人は、2019年の新型コロナウイルス感染症拡大前に行った第2回調査では55.5%だった。対して2020年のコロナ禍に行った第3回調査では47.1%となり、コロナ禍により中古品の購入・使用に抵抗を感じる割合が増えていました。今回の調査では、新型コロナウイルス感染症拡大前の水準に戻る傾向にあることがわかった。前回調査時は、新型コロナウイルス感染症の流行初期だったことも起因し、中古品への抵抗感が高まっていたが、ワクチン接種の普及やウイルスに関する知識、感染予防の知識が広がることで、中古品への抵抗感が弱まったことが考えられるとしている。



過去2~3年間で中古品の購入機会が増えたか質問をしたところ、30.2%が「中古品の購入機会が増えた」と回答した。中古品として購入する機会が増えたモノについて質問をしたところ、「洋服・靴・カバン」(45.7%)が最多の回答となった。



引き続き新型コロナウイルス感染症は拡大傾向にあるが、中古品への抵抗感が減少しているのと同様に、2020年と比較するとワクチン接種の普及や感染予防の知識が広がった上に、行動制限がなくなるなどの影響で外出する機会が増え、“リベンジ消費”が中古市場にも起きていると推察している。実際に「メルカリ」でも、2020年4月の緊急事態宣言を受けてエンタメ・ホビーなどインドア向けカテゴリーの取引が大きく伸長し、アパレル系の取引が縮小したが、2022年1~3月ではアパレルの需要が回帰傾向にある。



直近1年間で、購入・消費するモノに対してこだわるようになったと思うかを尋ねた問いでは、フリマアプリ利用者では40.6%が「こだわりが強くなった」と回答した。フリマアプリ非利用者では19.2%となっており、フリマアプリ利用者と比較すると21.4ptの差があることがわかった。



購入・消費するモノに対してこだわるようになったと回答した人に、具体的にどのようなこだわりを持つようになったか質問をしたところ、フリマアプリ利用者の最も多い回答は「価格」(64.7%)、次に「品質」(62.0%)、「機能」(56.5%)となった。フリマアプリ非利用者と比較すると、差が最も大きい“こだわり”ポイントは、「リセールバリュー」、次に「デザイン」「ブランドイメージ」となった。物価上昇などの影響もあり、フリマアプリ利用者は売ることを前提に、売れるデザインやブランドの商品購入にこだわりを持つ傾向が伺えると推察した。



購入・消費するモノに対して「こだわるようになった」と回答した人に、具体的にこだわりを持って購入・消費するようになったモノについて質問をしたところ、フリマアプリ利用者の最も多い回答は「ファッション」(37.2%)、次に「精肉、肉加工品」(31.2%)、「青果」(29.6%)となった。生活に身近な衣食住にまつわるカテゴリがこだわりの対象になっており、物価上昇が進む中、食について価格や品質にこだわる消費が増すことが推察できるとしている。

1年前と比べて物価が上昇していると感じるか質問をしたところ、86.3%が「物価が上昇していると感じる」と回答した。さらに「物価が上昇していると感じる」と回答した人に対し、節約意識の変化について質問したところ、85.9%が「節約意識が高まっている」と回答した。



「節約意識が高まっている」と回答した人に、具体的に行っている節約に関する行動について質問をしたところ、最も多い回答は「クーポン・ポイント利用」(74.5%)となった。フリマアプリ利用者と非利用者の間で最も差が大きい項目は、「新品ではなく中古品を購入する」(21.1pt)となり、中古品購入により節約をする傾向がわかった。








RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事