フェアトレード商品を販売するシサム工房は5月24日、GMOペパボが主催する「カラーミーショップ大賞2022」で大賞を受賞した。コロナ禍で実店舗への来店者数が減少する中、新たに店舗とECの相互送客(OMO)を行い、EC売上高の増加につなげたことが評価された。
フェアトレードとは、発展途上国の製品を継続的に適正価格で販売することにより、発展途上国の労働者の生活改善を目指す取り組みのこと。シサム工房では、フェアトレードのアパレル、コーヒー、アクセサリーなどを取り扱っている。
1999年の会社設立以降、実店舗での営業に注力してきた。だが、新型コロナウイルスの感染拡大により、実店舗の来店客が減少した。営業時間の短縮や休業を余儀なくされた。そこで実店舗ではなく、自社ECサイトへの集客を強化する方針にかじを切った。
シサム工房は2019年まで、全社売上高のうち、店舗の売上比率が9割を占めていた。そのため、当初は自社ECサイトの集客に苦戦したという。
実店舗の顧客とオンラインでの関係性を強化するため、自社ECサイトの購入ページに顧客がよく訪れる店舗を記入する項目を設けた。よく訪れる店舗が判明した後は、該当店舗のスタッフや店長のコメントを添えたお礼の手紙を作成した。EC担当者がコメントを手書きで代筆し、商品に手紙を同梱して送付した。
「どうすれば実店舗に訪れるリピーターに、ECでも同じ購入体験を創出できるのか。試行錯誤した結果、アナログだが、この取り組みが効果的だと考えた」(谷初花オンライン店長)と話す。
▲「カラーミーショップ大賞」の授賞式に登壇したGMOペパボの佐藤健太郎社長(左から2人目)とシサム工房の谷初花店長(同3人目)この取り組みが奏功し、実店舗の顧客を自社ECサイトの常連客にすることができた。2021年6月期のEC売上高は前期比200%増。2022年6月期のEC売上高も同20~30%増の見通しだという。
今後は、人と人とをつなぐイベントの実施を計画している。「顧客と顧客、フェアトレードの人たち、当社とライバル社をつなぐイベントを行い、フェアトレードの認知度向上につなげていきたい」(同)と意気込みを示す。
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