2022.06.26

「omoiのフライパン」、老舗鋳物屋が開発した「世界一番肉がおいしく焼けるフライパン」とは?

石川鋼逸社長

老舗鋳物屋の石川鋳造は、「世界で一番お肉がおいしく焼けるフライパン」がコンセプトの「おもいのフライパン」などを自社ECサイト「omoiのフライパン」で販売している。精肉店や飲食店など「食のプロ」からの購入が多く、フライパンとお肉をセットで楽しめる体験も、サブスクを通して提供している。

「鋳物(いもの)マニア」であり、かつ「肉マニア」でもあるという石川鋼逸社長は、「世界で一番お肉がおいしく焼けるフライパンを目指して開発した」としている。構想に10年、開発に3年をかけ、1000枚以上の試作品を作り、2017年に「おもいのフライパン」の販売をスタートしたという。

クラウドファンディングサービスでも2回販売を行い、累計約3500万円の支援購入が集まったとしている。

約4年でシリーズ累計約6万枚を販売しているヒット商品だ。


▲「おもいのフライパン」

同商品は、鋳物の優れた熱伝導率によって、フライパン全体の温度が一定になるように作られているという。

「研究所で同商品と、一般的なフライパンの比較も行った。同じ条件下で同じ部位の肉を焼き、味を数値化したところ、『肉のコク』がより強く出た」(同社)と話す。こだわり抜いた「おもいのフライパン」は、精肉店や飲食店などからの購入が少なくないそうだ。

「安心・安全の『無塗装』仕上げにもこだわった」(同)と言う。「世の中の鋳物の調理器具の多くが塗装されている。コーティングすると、鋳物の利点である熱伝導率を下げてしまう。さらに、傷が付いたり剥がれ落ちたりする経年劣化によるリスクもある」と指摘する。

「鋳物製品は使えば使うほど油がなじみ、独自の黒い艶が出てくる。『おもいのフライパン』は、『育て』あげる一生ものの商品」(同)としている。

同サイトでは、肉の定期便「お肉のサブスク」も2020年6月から提供している。同サブスクの継続率は90%以上。届く肉は毎回変わり、全国の肉問屋(精肉店)から、その時期に最適な厳選した肉を届けるそうだ。

さらに、同サブスクには、「おもいのフライパン」を無料レンタルできる特典が付く。「レストランで食べるような、おいしい肉を、『世界一お肉がおいしく焼ける』がコンセプトのフライパンで食べていただきたい」としている。「おもいのフライパン」と「お肉のサブスク」の相互送客にもつながっているそうだ。

同社では今年6月、「おもいのフライパン」で焼いたお肉に合う、ワインが届く定期便「ワインのサブスク」の提供をスタートした。天然地下蔵で熟成したワインを味わえるそうだ。


「omoiのフライパン」
https://omo-pan.net/



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