ストアの機能拡張続く
――LINEとの経営統合の影響は?
グループ内で多彩なサービスを持つのが他社にない強みだが、8900万人以上(2021年9月末時点)の会員基盤を持つ「LINE」はその中でも特に大きなポテンシャルを持っている。
経営統合後は「LINE」のサービス基盤を活用した機能強化を両ECモールでも進めている。具体的には「LINE公式アカウント」や「LINEギフト」との機能連携などだ。
「LINE公式アカウント」を活用したストアとユーザーのコミュニケーションは、メルマガなど既存の情報配信手段を上回る成果を得ている。今後はアカウント経由の取扱高の拡大に向け、ストアの武器となるような機能拡張を進めていく。
「LINEギフト」も両モールとの商品連携や大型販促企画の実施により、流通額が急成長している。ECでのギフトカルチャーの定着という点でも大きな期待を持っている。
――ECでの新たな施策は?
今春には、オンラインストア作成サービス「MySmartStore(マイスマートストア)」の本格提供を控えている。現状は数店舗での試験運用を経てLINE・NAVERと連携し、ブラッシュアップを進めている段階だ。
「LINE」と密結合した集客やサービス提供は、他のサイト構築サービスにはない強みだ。この部分をいかに尖らせ、価値を高めていけるかが成功へのポイントだと考えている。
――その他、競合との差別化に向けた取り組みは?
クイックコマースも近年注力している分野だ。即配サービスは競合モール各社も踏み込んでいない領域であり、独自性という面でも大きな強みとなる。
現在、出前館の物流網とアスクルの商品を活用した即配サービスの実証実験を進めており、ユーザーの反響や潜在的な需要についても手応えを得ている。本格的な提供に向け事業を進めていく1年となるだろう。