2021.08.05

【記者コラム】東京五輪野球の六回

8月4日、東京オリンピック2020の野球準決勝戦「日本対韓国」が行われました。ヤクルトスワローズ山田哲人選手が八回二死満塁で打った、左右中間フェンス直撃の二塁打で逆転。5-2で勝利し、8月7日土曜日の決勝戦がさらに楽しみです。

勝利した内容よりも、この試合の六回の日本の守りが非常に印象に残っています。私は、野球経験者で捕手歴があります。その経験からも改めて感じたことがあります。

六回は、韓国に2点を取られて2-2の同点となりました。この2点は、ストレートの配球で組み立てていけば、防げたのではないか、と思います。結果論なので、ここでいろいろ言っても仕方ありませんが。

この時、マウンドに上がっていたのは、オリックスの山本由伸投手と阪神タイガースの岩崎優投手。この2人は直球に定評があります。捕手はソフトバンクホークスの甲斐拓也選手。甲斐選手はこの時、色々なことを考慮してなのか、変化球を要求し続けます。しかし、結果は打たれました。この六回の韓国の攻撃を止めたのは、それぞれが投げたストレートでした。

私も捕手経験者なので、少しお伝えすると、投手と捕手では、打者の見え方が異なります。私の場合、ネクストバッターズサークル(次の打者が待機する区画)での打者の振り、顔を見ます。そして、打席に入ったタイミングで、顔の表情や構え、力み、呼吸、打席の位置、ボールを見送る様子などを見ます。

さらに打席に入って感じるバッター独特のオーラを読み取り配球を考えます。プロ野球選手の甲斐選手と比べることなどできませんが、甲斐選手もさまざまなことを考えて配球の組み立てを行ったはずです。

ただ、テレビで観戦していた私の印象としては、六回の韓国の攻撃は変化球狙いだった気がします。山本投手や岩崎投手もそれを感じていたのかもしれません。

見え方や捉え方の違いは、感覚的な要素が入ってくるとより難しくなります。通販・ECでも、こうした「違い」が、事業者と消費者の間で起こっているかもしれませんね。



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