消費者庁は7月16日、広告代理店のLIBELLA(リベラ)に対して、特定商取引法に基づき、通販関連業務の一部停止を命じる、9カ月間の業務停止命令を行った。北原紘高社長には、同期間の業務禁止命令を行った。同社は、2020年に業務停止命令が下ったwonderなど3社と連携・共同して通販事業を行ったとしている。リベラは公式ホームページに、「通販事業者を対象とする特商法が、広告代理店である当社に適用された点は承服しがたい」とのコメントを掲載。処分の取り消し訴訟を提起するとともに、執行停止の申し立てを行うと発表した。
リベラが関連3社のECを統括消費者庁によると、リベラは、リベラの関連法人であるGRACE(グレイス)、wonder(ワンダー)、Kanael(カナエル)が運営するウェブサイトにおいて、関連法人と連携・共同して、健康食品のEC事業を展開していたという。関連法人の3社は2020年1~12月にかけて、消費者庁から特商法違反を指摘され、それぞれ指示処分や業務停止処分を受けていた。3社は、健康食品の定期購入の申し込み確認画面に、2回目以降の商品購入の商品代金や解約条件について表示していなかったという。
リベラは、3社に対して、通販事業の方針を指示し、商品の販売業務や顧客対応業務を主体的に遂行していたとしている。リベラは広告代理店であるため、「LIBELLA」の社名は、ECサイトに販売事業者名として明記されておらず、消費者もリベラの存在を知ることができなかった。
ただ、消費者庁では、調査の結果、リベラが一緒に業務を行っていたことが認定できたため、処分を行ったとしている。
今回の処分に広告代理店が戦々恐々健康食品や化粧品の通販の広告代理店の間では、リベラへの行政処分で戦々恐々としているようだ。ある中堅健康食品通販企業の担当者は、「知り合いの広告代理店はかなり恐れている。過去に処分されたクライアントとのチャットツールの履歴などを調査されると、問題となるやりとりが見つからないとも限らないからだ」などと話している。