2020.08.21

「Yahoo!ショッピング」の出店審査基準を年内に開示 自主ルール作成、ECモールの透明性・公平性を確保

ヤフーは8月19日、自ら設置した「デジタルプラットフォーム事業者情報開示の在り方検討会」の提言書を踏まえ、出店審査基準の開示による出店基準の明確化や、スタッフ教育の強化によるカスタマーサポートの運用改善を実行する考えを示した。検討会からはデジタルプラットフォーム事業者として透明性、公平性確保の観点から、オンラインモール運営における情報開示を促す提言書を受領していた。

ヤフーは今年4月、デジタル社会における信頼の維持・確保のために真に必要な自主ルールを策定することを目的として、外部の有識者を募った「デジタルプラットフォーム事業者情報開示の在り方検討会」を設置。検討会ではデジタルプラットフォーム事業者における取引のさらなる透明化に向けた開示項目の選定や、既存のサービスの改善など、幅広い観点から検討が行われたという。

このほど受領した提言書では、デジタルプラットフォーム事業者の社会的責務として、「顧客満足度の向上を通じた事業の成長を目指すという観点から自ら取組を行い、かつ、その取組を通じて得た知見を活かして政府に対して効果的なルール整備を促すことによって社会制度の整備をリードしていくという能動的な役割を果たすべきである」と提唱されたという。また、求められる取組として、出店審査基準の開示をはじめとする、より一層の情報開示等が挙げられたとしている。

ヤフーは、「ユーザーファースト」の方針のもと、「消費者や取引事業者にとって分かりやすい情報開示の拡充」や「問い合わせ・苦情に対する誠実かつ迅速な対応の強化」などに自主的に取り組むことで、デジタルプラットフォーム事業者としての社会的責務を果たしていく考えを示した。具体的には、現在非公開であるECモール「Yahoo!ショッピング」に出店する際の出店審査基準を利用約款またはその細部規則であるガイドラインにおいて2020年12月までに新たに定め、情報開示することで運営の透明化を目指す。また、よりユーザーに寄り添ったカスタマーサポートの実現に向けて、ユーザーごとの個別状況に沿った案内をするようスタッフへの教育を実施。2020年9月より問い合わせ対応の運用を見直すとしている。

同提言書は、2020年8月19日に実施したオンライン手交式にて、「デジタルプラットフォーム事業者情報開示の在り方検討会」よりYahoo! JAPAN代表取締役社長CEO川邊健太郎氏に提出された。また、本年度国会において「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」が可決成立していることから、政策決定の一助としてもらうことを目的に、経済産業省をはじめとした政府関係者にも共有したという。

「デジタルプラットフォーム事業者情報開示の在り方検討会」座長である、大橋弘氏(東京大学公共政策大学院 院長)は、「透明化法の施行に先んじて、自主的な検討会設置や取組を実施しているYahoo! JAPANには大変期待しており、デジタルプラットフォーム事業者のロールモデルとなるよう引き続き取り組んでもらいたい。政府による一方向の規制ではなく、このような自主的な取組こそが、イノベーションの促進とデジタルプラットフォーム事業者による社会的責務の完徹を両立させる鍵である」とコメントしている。

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