2024.06.23

【72.9%が「No.1」「トップ」に懐疑的】ネオマーケティングが「景表法と薬機法表現」を調査

生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供するネオマーケティングはこのほど、「景表法と薬機法表現」をテーマに調査を実施し、その結果を公開した。商品やサービス購入・利用者の44.8%が「No.1」表記が「購入のきっかけになる」と回答したが、「No.1」「トップ」などのフレーズに信憑性を疑う割合は72.9%いることがわかった。

ネオマーケティングは、2024年4月23日~4月24日に、全国の20歳以上の男女を対象に「景表法と薬機法表現」をテーマにインターネットリサーチを実施した。

商品・サービスに向けた「No.1(売上No.1、人気No.1など)」「トップ(売上トップ、人気トップなど)」「最○(最高、最上など)」「○○1位(日本1位、世界1位など)」「〇〇初(日本初、業界初など)」のフレーズについて、これらのフレーズを見かけたことがある人と回答した人を対象に、その頻度をたずねた問いでは、「No.1(売上No.1、人気No.1など)」がその頻度がもっとも高い結果となった。「ほぼ毎日見かける」が11.2%、「週に何度か見かける」が31.2%と、合わせて42.4%が週に何回か見かけていることがわかった。



「No.1(売上No.1、人気No.1など)」「トップ(売上トップ、人気トップなど)」「最○(最高、最上など)」「○○1位(日本1位、世界1位など)」の4フレーズは、すべてて“一番・最上位”という意味合いで共通しているが、フレーズへの生活者の遭遇頻度にはかなりの差が生じている結果となった。

先の設問と同じフレーズについて、各フレーズが記載された商品・サービスをどのくらいの頻度で購入・利用しているかをたずねた問いでは、「頻繁に購入している」「たまに購入している」の合算は、「No.1(売上No.1、人気No.1など)」が34.4%とも高く、「トップ(売上トップ、人気トップなど)」(30.7%)、「最○(最高、最上など)」(28.2%)が続いた。もっとも割合が低い「○○初(日本初、業界初など)」でも20.4%となっており、どのフレーズでも少なくとも20%以上は積極的な購買行動を起こすことがわかった。本問いの結果は、先の「商品・サービスに向けた各フレーズをどのくらいの頻度で見かけるか」の問いと概ね連動している結果となった。



かっくフレーズが記載された商品をどのくらいの頻度で購入・利用しているかの問いで、購入・利用したことがある(「頻繁に購入している」「たまに購入している」「まれに購入している」)と回答した人に対し、そのフレーズが購入のきっかけになることはあるかをたずねた問いでは、いずれの問いも「よく購入のきっかけになる」割合は10%前後という結果となった。



一方で、「たまに購入のきっかけになる」の割合には差が生じ、もっとも多い「No.1(売上No.1、人気No.1など)」は34.8%となり、最も購入のきっかけになり得るフレーズということがわかった。逆にもっとも割合が低かったのは、「○○初(日本初、業界初など)」の25.1%だった。

この結果についてネオマーケティングは、「○○初(日本初、業界初など)」というフレーズは、「最先端の技術・サービスを導入している」「他の企業よりも先に進んでいる」という好印象は残るものの、売上などの事実(データ)を示す他のフレーズに比べ、生活者にとって具体的にどのようなメリットがあるのかがわかりにくく、直接的に購入のきっかけにはなりにくいのかもしれないと推察している。

各フレーズが記載された商品・サービスについて、そのフレーズ以外の注意書きをどの程度読むかをたずねた問いでは、どのフレーズにおいても約半数が「読んでいる」(「しっかりと読んでいる」「ある程度読んでいる」の合算)という結果となった。読んでいる割合で比較すると、わずかな差で「○○1位(日本1位、世界1位など)」(51.2%)がもっとも高く、「No.1(売上No.1、人気No.1など)」(51.1%)が続いた。具体的なランキング結果からフレーズを切り出している場合は、実施年や対象者・サンプルサイズなどが気になり、目を止める人が多いのではないかとしている。



各フレーズが記載された商品・サービスの広告についての印象をたずねた問いで、「あてはまる(「とてもあてはまる」「ややあてはまる」の合算)」の回答がもっとも多かったのは、「本当にそうなのかなと思う」で、72.9%がやや懐疑的な印象を抱くと回答した。次いで「利用者の意見を知りたい」(58.3%)が多くの回答を得た。「商品・サービスを購入・使用してみたい」「商品・サービスを詳細に調べてみたい」も約半数が「あてはまる」と回答した。これらの結果から、「No.1」「トップ」といったフレーズだけでは生活者の不安感を拭いきれないため、もし記載する場合は「リピーター率○○%」「満足度○○%」など、実際の利用者の評価が反映されたデータとセットにするなど、第3者の存在をアピールするのが効果的だと考えられるとしている。



機能性について表示できる「機能性表示食品」「栄養機能食品」「特定保健用食品(トクホ)」の表示について、購入のきっかけになるかをたずねた問いでは、「購入のきっかけになる」「やや購入のきっかけになる」の合算が39.9%と「特定保健用食品(トクホ)」がもっとも購入のきっかけになることがわかった。「消費者庁許可のマーク」のインパクトも、購入のきっかけづくりに一役買っているかもしれないと推察している。



「機能性表示食品」「栄養機能食品」「特定保健用食品(トクホ)」の表示について、どの程度意味を理解しているかたずねた問いでは、購入のきっかけでトップだった「特定保健用食品(トクホ)」が、理解度合いにおいてもトップを獲得した。一方で、いずれの表示も「よく理解している」の割合は20%を切っており、大多数が保健機能食品を明確に区別できていないことがうかがえる結果となった。



これまでオンラインショッピングサイト(EC)で商品・サービスを購入したことがある人に対し、オンラインショッピングサイトに「初回無料」「初回送料無料」「返品可能」「全額返金」「2つかったら1つ無料」のフレーズが記載された商品・サービスをどの程度の頻度で購入・利用しているかをたずねた問いでは、利用している(「頻繁に購入・利用している」と「たまに購入・利用している」の合計)と回答した人がもっとも多かったのは「初回送料無料」(38%)だった。次いで「返品可能」(33.6%)、「初回無料」(31.8%)という結果となった。



オンラインショッピングサイトの商品ページについて、不満に思う点をたずねた問いでは、全体の49.9%が「注意事項が小さい」ことに不満を持っていることがわかった。次いで「長い」ことに不満を持つ人が32.3%となった。



全項目において、男性より女性の方が不満度合いが高くなっており、上記2項目の割合はそれぞれ6ポイント以上もの差が生じる結果となった。性年代別で比較すると、やや揺れはあるものの、男女ともに年代が高くなるにつれ「注意事項が小さい」ことへの不満が高まっていく傾向が見られた。商品スペックなどは情報量が多く、文が長く・文字が小さくても仕方がない部分はあるとしながらも、読まないことが購入者の不利益になり得る「注意事項」は“わざと小さい文字にしている”という印象を購入者に抱かれてしまわないよう、読みやすい工夫がサイト側に求められるとの見解を示した。




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