2024.06.14

【好業績の要因を聞く】ユミルリンク 取締役 渡邉弘一氏「高速で確実なメール配信技術でEC企業を支援」

渡邉弘一氏


阪急阪神東宝グループで、メール配信システム「Cuenote(キューノート)FC」を提供するユミルリンクの業績が好調だ。2023年12月期に続き、2024年1-3月期(第1四半期)も増収増益を続け、過去最高を更新している。マーケティング本部・ゼネラルマネージャーの渡邉弘一取締役に、好業績の要因について聞いた。



──2023年12月期は業績が過去最高を更新した。

メール配信事業については、期初の計画を上回るなど順調に推移した。

2024年1-3月期(第1四半期)は、グーグルが提供する「Gmail(Gメール)」のガイドラインが変更されたことで、各社からの引き合いが増えている。特に、高速で確実なメール配信と配信エラーの解析機能を提供するエンジニア向けのメールリレーサービス・メール送信API「Cuenote SR―S」が大きく伸びた。

なりすまし対策の一つである、送信ドメイン認証技術「DMARK(ディーマーク)」については、自社で対応できる企業とそうでない企業で対応が大きく分かれる。仮に、対応できるとしても相応のコストがかかってしまうことから、当社に依頼するケースが増えている。

──「Gメール」のガイドライン変更でECに影響はあるか?

ECにおいては、既存会員向けに送付するプロモーション系のメルマガを、1日に約5000通送る企業に対応が求められる。

「Cuenote SR-S」を活用することで、「DMARK(ディーマーク)」の要件を満たすことになり、各社から問い合わせをもらっている状況だ。

──MA(マーケティング・オートメーション)から乗り換えるECもある。

コストの負担を軽減する目的でMAから当社のサービスに移行するケースも依然として目立つ。「キューノート」シリーズが「ライトなMAツール」という認識が広がりつつある。

自社のホームページに事例を掲載しているが、あるECサイトでは、より積極的な顧客向けメール配信を実施することを目的として他社MAツールから「Cuenote FC」にリプレースした。
 
──2024年12月期の事業計画については?

セキュリティー対策として、クレジットカード会社から「DMARK(ディーマーク)」を必須にしてほしいという要請もあるようだ。

2025年4月から「PCI DSS v4.0」の運用開始が控えている。こうした背景は当社の追い風になるものと考えている。
 
ワンタイムパスワードなど、SMSを本人認証として活用する事例も増えてきている。また、顧客に対する重要な通知をメールではなく、SMSを活用したいという要望が増えた。

背景には、コールセンターをはじめとした電話や郵送などで伝えることの人的な負担やコストが企業の課題となっていることがある。SMSであれば、相手が出なくても通知ができる点をメリットに感じてもらっている。

──年内に「ウェブプッシュサービス」を始める。

ブラウザを経由して顧客に対してプッシュ通知ができるサービスだ。ユーザーが通知を許可すれば情報を提供することができる。

今後は、裏側で情報を連携し、メールをはじめSMS、LINE、プッシュ通知など、顧客の特性に応じて、あらゆる方向から顧客にアプローチできるツールの提供を目指していきたい。


【「キューノートFC」サービス概要】
「キューノートFC」は、大量のメールを高速で確実に配信できるのが最大の特徴。メールの効果測定や会員管理、システム連携用のAPIなども提供し、メールマーケティングも可能。HTMLメール作成機能「HTMLエディター」や分析機能を標準で搭載し、ECサイトのかご落ちをメールで知らせる「カートリマインド機能」なども提供する。


■メール配信システム「Cuenote(キューノート)」
https://www.cuenote.jp/





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