複数のストリートブランドを展開するyutori(ユトリ)の2024年3月期の売上高は、前期比74.9%増の43億2000万円だった。継続してSNSマーケティングに取り組んだほか、実店舗展開に注力したことが奏功した。片石貴展社長は「過去最高の売り上げ、利益を達成できた」と振り返る。
yutoriはZ世代を軸にしたファッションブランドを展開している。同社独自の「NICO(※参照)」モデルの商品開発やSNSマーケティングなどを活用して、事業を拡大している。
チャネル別の売上高比率は、自社ECサイトが39.5%、「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」が32.3%を占める。実店舗の割合は25.9%まで拡大した。
「特に新規出店拡大により、オフラインの売り上げが急速に伸びている。今後はECとオフラインの比率を1対1にしていきたいと考えている」(片石社長)と話す。
実店舗は成長したブランドから順次出店した。今後も東名阪の主要都市に加え、地方都市への出店を検討していくという。
営業損益は3億8300万円の営業利益(前期は4700万円の営業損失)、純損益は2億2500万円の純利益(前期は6800万円の純損失)だった。店舗出店に伴い、地代家賃の増加や、人件費増加が発生したが、売上高増加による粗利の改善により、黒字化した。
今後の成長戦略としては、主に①既存のアパレル×Z世代 ②アパレル×Y世代 ③別商材×Z世代――の展開に注力していく。顧客層と商材を広げ、さらなる売り上げ拡大を目指していく。
※NICOモデルとはNICHE(ニッチだが熱量のある領域選定)、ITEM(象徴的に感じる商品企画)、COLLABO(インフルエンサーや他企画とコラボ)、OFFLINE(オフライン展開)のこと。