2024.04.19

志成販売「She say」、「スーパーデリバリー」 出店で海外取引拡大 豪州や欧米への販売も視野

志成販売 戦正典社長

志成販売は、インテリア雑貨・服飾小物の輸入卸および企画販売を手掛けている。1971年に創業し、1984年に法人化した。創業当時は、中国の珍しい骨とう品などの雑貨を輸入して日本で販売していた。

近年は「シンプルなオーガニックテイスト」をテーマにしたインテリア雑貨や服飾雑貨などが主力となっている。「自然素材を通じた気付きを与えられるような製品」(戦正典社長)など取扱商品数は年間約5000品目にのぼる。自社にデザイナーを6人抱え、季節ごとに商品カタログを制作している。

自社開発製品の約7割を中国製が占め、残りはインドやベトナム、フィリピンで製造している。近年は、為替の問題もあるほか、海外に人気の高い日本製品を戦略的に増やしている。「まだまだ未開拓の国内製品があり積極的に開拓している」(戦社長)と話す。

取引先は、店舗販売を行う企業が中心で、量販店系による取引が最も多いという。近年はネット通販企業が増加傾向にある。コロナ禍もあり、副業で事業を行う人が出てきており、小規模事業者からの仕入れも増えている。


海外輸出業務を効率化

2010年にラクーンコマースが手掛ける「スーパーデリバリー(SD)」に出店し、BtoB-ECサイトを通じた卸売りを開始した。

営業社員が対応できない地域や業種に販路を広げようと、「スーパーデリバリー」を始めることで海外への取引のきっかけにした。「輸入の知識はあったものの、輸出の知識はなかった」(戦社長)と話すように、輸出業務は貿易に加え、社内のオペレーションも多岐にわたり、大きな負担になっていた。

現在までに「スーパーデリバリー」での売り上げは、国内の小売店舗が 57%を占める。次いで海外からの仕入れが23%、残りの20%は理美容業・飲食業などさまざまな業種が占めるという。4月2日から2日間、卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」の越境EC版「SD export」が主催する台湾でのファッション・生活雑貨の展示会にも出展。「200社に対してカタログを配布でき、商品を知っていただく機会として有力な接点につながった」(戦社長)と話す。


SD売上は担当1人で1億円


海外展開にかかる社内の書類作成プロセスやコストを踏まえると、これらをSDに委託し、国内出荷で完了できる仕組みが大きな魅力だと話す。「海外売り上げはゼロだったが、1人の専任担当者で、国内を含めたSDの年商1億円に成長していることが大きな成果」(戦社長)と話す。

小規模の取引先への対応を丁寧にしてきたことに加え、モールならではのコンテンツの工夫、検索をしてもらえるようにSEO対策などが成果につながっているという。

「Bカート」で運用する自社卸売りサイト「She say(シー・セイ)」と「スーパーデリバリー」との使い分けについては「自社サイトで対応できない客層まで新規の接点を持つことができることが大きな強み」(戦社長)と話す。

在庫管理については、自社の基幹システムに連携しており、「スーパーデリバリー」と「自社サイト」で一元管理を実現しているという。

将来的には「スーパーデリバリー」を積極的に活用することで、東南アジアを主軸に、豪州や欧米も視野に販売網を広げていく考えだ。




【「スーパーデリバリー」サービス概要】
ラクーンコマースが提供する「スーパーデリバリー」はサプライヤーとバイヤーが利用する卸・仕入れサイト。国内のほか、アジア・北米を中心に海外に12万社以上(2023年4月)の会員を抱えBtoBでの越境ECをサポートしている。初期費用・月会費無料で出展でき、発生するのは取引金額に合わせたシステム利用料のみ。代金回収から輸出作業までワンストップでサービス提供しているので、越境ECに不慣れでも世界中の事業者と取引が可能になり販路が拡大できる。





■【越境ECトレンド分析】海外進出は不可避の選択肢に!?米国、中国、東南アジアの傾向は?
https://netkeizai.com/articles/detail/11331

■ECソリューションマップ2024【越境EC編】有力サービス紹介<カオスマップ付>
https://netkeizai.com/articles/detail/11332









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