2024.03.26

レッドホースコーポレーション、全国の銘品の海外進出を支援 第1弾は伝統工芸品「堺包丁」

地域創生事業をメイン事業とするレッドホースコーポレーションはこのほど、地域が抱える課題の新たな解決を目指し、越境プロジェクトを立ち上げた。美しい日本の魅力を世界に発信していくとし、第1弾として、大阪府堺市にある創業210年以上の老舗「和泉利器製作所」のブランド包丁「堺刀司」を本プロジェクト用に完全オリジナルで製作。クラウドファンディングサイト「Kickstarter」にて販売を開始した。

レッドホースコーポレーションは、「自立自走可能な地域創生の実現」を目指し、ふるさと納税支援や産直DtoCサービス、インバウンド集客支援(グループ会社/Tokyo Creative)など、多角的な視点で地域課題の解決に向けた事業を展開している。

このほど、自社の事業を通じて培ってきた地域の良さを活かした商品開発やプロモーション、インバウンド集客支援などの知見を用い、日本各地の品々の海外進出を支援するプロジェクトを立ち上げた。

自社の事業を通じ、自治体や事業者と向き合う中で、伝統的工芸品への興味関心の低下、使用場面の減少、伝統工芸品や特産物の事業者の人員、後継者不足など日本ならではの産業における課題が見えたとし、こうした課題に対し、国内のみならず海外にも日本各地の産業の素晴らしさを広めファンを獲得していくことが、解決に近づく1つの策になるとの考えに至ったという。

越境ECは、近年急速に拡大傾向にあり注目度も高まる一方で、リソースや打ち出し方などあらゆる障壁で参入への一歩を踏み出せないといった課題があることも実情だとし、今回の海外進出支援プロジェクトの提供に至ったとしている。

プロジェクトの第1弾として、大阪府堺市にある創業210年以上の老舗「和泉利器製作所」のブランド包丁「堺刀司」を本プロジェクト用に完全オリジナルで製作し、クラウドファンディングサイト「Kickstarter」にて販売を開始した。

「堺包丁」は、大阪府堺市を代表する伝統工芸品で600年の歴史を誇る。その中でも、鍛冶職人と研ぎ職人の分業制により1本1本手作りで作られる「堺打刃物(さかいうちはもの)」は希少な包丁で、プロの料理人用包丁の中では約90%以上のシェアを占めている。


▲熟練の職人が作る手作り包丁

今回のクラウドファンディングでは、この職人技を用いて商品開発したオリジナルの「堺包丁」4品を出品。世界初登場となるこの4品は、熟練の職人が作る手作り包丁であり、鉄が本来持つ味わい深い見た目が特徴の黒打ち包丁、握りやすさと使いやすさを追求した八角形のハンドルといった特徴を備える。「堺刀司黒打 切付三徳包丁」(支援額/5万円)、「堺刀司黒打 筋引き包丁」(支援額/5万3400円)などがラインアップする。


▲オリジナルの「堺包丁」4品を出品

一方で「堺包丁」は現在、職人の後継者不足により職人技の継承に課題を抱えている。原因には、経営者や職人の高齢化、慢性的な人手不足などが挙げられ、「堺打刃物」という貴重な職人技を継続させていくには若手職人の育成が必要となる。

レッドホースポレーションは、今回のクラウドファンディングにおいて、改めて世界各国から品質へのこだわりを持つ多くの支援者を募り資金を集めることで、この伝統産業を守り「堺包丁」の職人技を次世代へつないでいきたいとしている。


▲黒打ち包丁


今回の取り組みにあたり、本商品を取り扱う和泉利器製作所の担当者は、「和包丁の本来の良さであるシンプルデザインと使いやすさを世界に知っていただきたいという想いで作りました。和包丁のデザインはもともと派手さなどなく使いやすさのみにこだわったシンプルなデザインでした。しかし、最近の包丁は派手な柄のものや重たいハンドルのデザイン等が増えてきており、和包丁本来の良さが隠れてしまっています。そこで今回は、伝統的な技術を用い、昔ながらの和包丁のモデルを再現しました。使いやすさを最大限に活かすために柄と刃のバランスにこだわり、軽くて丈夫な朴の柄を使用し、手に馴染みやすい八角のデザインに仕上げています。また、今回は、日常メンテナンスが難しい海外の方に黒打ち包丁を選びました。刃の黒い部分には錆びにくい特徴があり、海外でも長く使い続けられるよう考えたデザインとなっております。今回のプロジェクトを通して、和包丁本来の良さを世界中のみなさんに知っていただけると嬉しいです」とコメントした。


▲八角形のハンドル

レッドホースポレーションのプロジェクト担当者は、「私は学生時代を国際交流豊かな環境で過ごしため、世界中の人々を魅了する母国日本の美しき文化や伝統に誇りを感じ、これをもっと日本人自身や世界に発信していきたいという想いを抱きました。今回はそんな私の想いが叶い、さらには生まれ育った大阪の伝統工芸品である”堺打刃物”を世界へ発信できることを大変嬉しく感じるとともに、使命感を持って取り組んでいます。プロジェクトの準備過程では今回の和泉利器製作所様や職人の皆様のもとに足を運び、大阪人の自分でさえ知らなかった大阪の伝統技術の凄さ・日本の魅力を発見することができました。堺打刃物の職人様、包丁を購入する世界中の方々、地元の方々といった、このプロジェクトに関わる全ての人に喜んでいただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります」と話した。

今回の堺打刃物のプロジェクトを皮切りに、今後は“食”をテーマの1つに地域の魅力や工芸品の価値を現代風に再定義し、日本の美しさを世界に発信していくとしている。




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