【総合賞2位「リカーBOSS」に聞く】 物流強化で即日配送、先行する「ビッグボス」を追う
「BEST SHOP AWARD 2023」において総合賞2位を受賞した「リカーBOSS」を運営するモリフジ(本社富山県)の代表取締役副社長 梶沢佳孝氏と社外取締役 池滝隆太氏に受賞要因や「au PAY マーケット」ならではの戦略などを聞いた。
▲「リカーBOSS」を運営するモリフジの社外取締役 池滝隆太氏(左)と代表取締役副社長 梶沢佳孝氏(右)――受賞の要因は?梶沢:先行している1位の「お酒のビッグボス」さんがいますので、そこに追い付け追い越せという感じで、クーポンやポイント、タイムセールなどの施策を強化した。
――「au PAY マーケット」がお酒が強いのはなぜ?梶沢:「auスマートパスプレミアム」会員に向けた「au PAY マーケット」の施策がうまくハマっていると思う。3000円購入で300円のクーポンを配布するなど、実質10%OFFの施策が、高単価ではないお酒やドリンクが買いやすくしていると思う。「auスマートパスプレミアム」会員は他のモールやリアルと比較しても、実質一番お得に買い物されていると思う。リピーターも多い。
――今回の「BEST SHOP AWARD 2023」で2位、「楽天SOY2023」でも総合6位に入賞しているが、好調の理由は?池滝:自社配送を主軸として物流に力を入れている。市場が求めているECのニーズとして最短で配送してほしいというものがある。そこを自社の努力、投資を強化してきたことで、受賞にもつながったと思う。
梶沢:ECは2011年から取り組んでいるが、2年前に富山に新しいセンターを開設し、大幅に商品ラインアップを増やした。2024年12月には、もう1つ新しいセンターを富山に構えるので、配送面はさらに力を入れていく。
――EC事業全体の売上高や「auPAY マーケット」の売上規模は?梶沢:2023年9月期のEC売上高は120億円くらいだ。コロナ禍のタイミングに数十億円伸びた。そこでお客さまへの認知は高まったと思う。「au PAY マーケット」の売上高は20億円ぐらいだ。「au PAY マーケット」のお客さまにもお酒やソフトドリンクなら「リカーBOSS」という認知を取っていきたい。まだまだ伸びしろはあると思っている。
――配送のリードタイムを短縮することに力を入れているのか?梶沢:3年前ぐらいから「auスマートパスプレミアム」会員には即出しを心がけている。それ以外のお客さまも正午までに注文いただければ、即日発送しており、翌日には商品が届いている世界観を実現している。
――「au PAY マーケット」に期待していることは?池滝:当社としてコンバージョンを高める取り組みは最大限できている認識でいる。売り上げは「集客×コンバージョン×単価」という公式は変わらないので、集客を上げていくという面で、イベントなどの施策を企画いただけると、われわれも乗っかっていきやすい。店舗がプッシュ型の集客施策が柔軟にできるとやりやすいと思う。
――KDDIは三菱商事とともにローソンと資本業務提携を結び、ローソンの経営に参加していく方針だ。この動きに期待することは?池滝:決済システムの連動ができて、ECでの購入の利便性を上げる取り組みが進めば良いと思う。資本力がさらに高まると思うので、それによるマーケティングの取り組みが強化され、集客拡大につながることも期待したい。
――2024年の注力点は?梶沢:お酒ではワインやウイスキー、日本酒などの取り扱いを強化したい。非アルコールのドリンクや食品などもお酒と親和性の高い商品の提供を強化していきたい。