2024.03.13

アイスタイルと花王、「RNA共創コンソーシアム」設立 サステナブルな消費サイクル実現へ

アイスタイルと花王は年3月11日、ビューティ&ヘルス産業のサステナブルな発展のため、「皮脂RNAモニタリング」技術を核としたビジネス共創をめざす「RNA共創コンソーシアム」を共同設立した。各業界を代表する企業を幹事社として迎え、企業の垣根を超えて「作る」「売る」「選ぶ」の新基準を制定し、ビューティ&ヘルス産業全体で、サステナブルな消費サイクルの実現を目指す。

アイスタイルと花王がこのほど共同設立した「RNA共創コンソーシアム」は、花王独自の解析技術「皮脂RNAモニタリング」技術を核としたビジネス共創を目的としている。

美容に特化した日本最大のプラットフォーム「@cosme」を運営するアイスタイル、「皮脂RNAモニタリング」技術を提供する花王が理事となり、運営委員会を組織。共創パートナーとして、コーセー、マツキヨココカラ&カンパニー、キリンホールディングス、パーフェクト、ヘルスケアシステムズといった各業界を代表する企業を幹事社として迎える。

本コンソーシアムでは、RNA情報を基準に、生活者にとってさらに満足度の高いパーソナルな商品・サービス選択が叶う仕組みの創出を目指す。同時に需給バランスを整えることで、人にも環境にも負荷をかけないサステナブルな消費サイクルを実現することを目標に、活動を開始する。



「皮脂RNAモニタリング」は、あぶらとりフィルムで顔の皮脂を採取し、その皮脂からRNAを抽出して網羅的に分析する花王独自の解析技術。DNAが、その人固有の一生変化しない情報であるのに対し、RNAは、体調や食生活、運動、ストレス、紫外線といった環境要因によって日々変化するため、その時々の肌や体の状態を知るのに有用と言える。



アイスタイルと花王は、2022年から似た皮脂RNA特徴を持つ人をグルーピングし、選ばれる化粧品の傾向を解析するという取り組みを共同で進めてきた。第1段階の検証では、約6000名の「@cosme」メンバーから得られた皮脂RNAと画像情報をもとに、これまで皮脂を直接顔から採取しなければ解析できなかった肌タイプ分類(肌遺伝子モード)を、顔写真から特定する技術を花王が開発。RNA発現の類似度に基づき2つの肌タイプが存在することも特定した。

第2段階では、利用シーンの1つのとして肌遺伝子モードの店頭利用を想定し、「@cosme STOREマルイファミリー溝口店」において、約60名の「@cosme」メンバーに、「①顔写真からの肌遺伝子モード判定を活用した肌診断」「②店頭での肌遺伝子モード別の高評価アイテムの紹介」を体験してもらう実証を実施。本取り組みには1000名もの「@cosme」メンバーから応募があり、「新たな化粧品選択の方法」に対する生活者の期待の高さをうかがうことができたとしている。

花王とアイスタイルは、これら取り組みを通じて、RNA情報が商品選択のひとつの基準として有用である可能性が見いだされてきているとし、「皮脂RNAモニタリング」技術を核としたさまざまな企業とのビジネス共創をめざし、「RNA共創コンソーシアム」の立ち上げに至ったとしている。

人生100年時代と言われる現代、健康で快適な生活を送りたいという生活者のニーズは高まっている。アイスタイルでは、クチコミやランキング、ベストコスメなどのコンテンツ、EC・店頭でのセレンディピティやテスターの使用、カウンセリング、美容部員が出演するLIVE配信など、さまざまな体験を通じて生活者と美容プロダクトの幸福な出会いを創出するサービスを提供してきた。

一方で、デジタルメディアやSNSの普及などにより、市場にも美容や健康に関するサービスや情報があふれ、選択肢の多さゆえに「何が自分に合うのか」が分からずに悩みを持つ生活者も多い。こうした時代背景を受け、ビューティ&ヘルス業界では、生活者が今の自分の状態を正しく知り、多くの選択肢の中から「自分にあった商品を選び」を手助けする新たな基準が求められるようになっている。

また、ESG(環境、社会、ガバナンス)への配慮が求められる昨今、需給バランスのアンマッチなどによる商品廃棄は業界課題にもなっている。

アイスタイルは、「RNA共創コンソーシアム」の参加企業とのコラボレーションや、店頭・メディアでのさらなる検証を重ねながら、生活者目線に立った、安心して利用できる肌遺伝子モード情報の利活用の基準づくりや、それを活用した新たな化粧品選択体験の創造を目指す考えを示した。




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