テーマ:「AI」
ECコンサルティング会社のISSUN(イッスン)の宮松利博代表は、AIの進化により、自分のデジタルクローンを作り、業務効率を飛躍的に向上できるという。宮松代表にAI活用の最前線やデジタルクローンについて教えてもらう。
2023年のECビジネスマンに衝撃を与えたのが「コードインタープリタ」の登場ではないか。ChatGPTの公式プラグインで、最新の名称は「Advanced data analysis(アドバンスド・データ・アナリシス)」。
例えば、以前はグーグルアナリティクス(GA)から数万行のデータをダウンロードし、傾向値を読みとる、課題を見つけ対策を立てる、指示書を作成する、ときにはパワポで伝わりやすくレイアウト整形もする。ところがグラフ化に手間がかかったり、「この作業、自分がやりたいことなのか?」と嘆きたくなることもしばしばだった。
ところが「コードインタープリタ」ならChatGPTにGAデータをドラッグして「これらのデータから課題を3つ見つけて、パワポに対策表とグラフをまとめて」と指示するだけだ。
いわば自分のデジタルクローンを手に入れたのも同然の快適さだ。ただ、問題は「簡単に誰でも使えない」という点で、特にセキュリティー周りは面倒。
そこに「エクセルをお使いなら、どなたでも簡単、安全に使えますよ」と2023年11月に登場したのが、マイクロソフトの「オフィス365コパイロット」。まだどの企業でもすぐに使える状態にはないが、2024年は「オフィス365コパイロット」により、多くのECの現場で時短・品質向上、笑顔増殖が期待できるだろう。
筆者が専務理事を務める日本イーコマース学会でも、2023年は「デジタルクローンによる能力拡張」というキーワードが取り上げられて、その研究内容は刺激的だった。
急速なAIの進化は、徐々に私たちの現実を変えていこうとしている。しかも、そのハードルはどんどん低くなっている。デジタルクローン時代をぜひ体感しみてはいかがだろうか。