2023.12.18

KIBAKOWORKS、細やかなSNS発信とツール活用で売上拡大

藤井伸之氏

KIBACOWORKSはオリジナルのキータグやアパレルを販売し、今年のEC月商は約350万~500万円だという。細やかなSNS運用やバーチャル試着ツールの導入などが奏功し、売り上げは拡大している。今後はファンや新規顧客と直接話せるポップアップストアの展開も強化する方針だ。

中学校の同級生だったデザイナーとサーファーの2人が、同社を設立した。2015年から神奈川・北鎌倉の工房で商品のデザインから制作を手がけている。

「2019年ごろまでは、OEMや卸がメインだったが、自分たちの好きなアートや音楽をもとにした商品を作るようになった。自社ECサイトを立ち上げ、商品展開やカートシステムを試しながら拡張していった」(藤井伸之氏)と振り返る。

最初のECサイトは「BASE」で構築したが、人気のキータグの名入れサービスなどの機能の簡略化のため、2020年に「Shopify」に切り替えた。


▲人気の「BAMBOO KEYTAG」は名入れサービスがある

「偶然、フェイスブックから広告出稿の提案があり、試しに出してみたところ、EC売上高が伸びた。さらに自社ブランドを強化するため、デザインのクオリティーを上げたサイトへリニューアルした」(同)と話す。

2021年にはメルマガの発行を開始した。

「商品情報のリリースや、レビューのお礼のクーポン発行などを発信できるようになった。カゴ落ちの減少とリピート率の向上で、EC月商は導入前と比べて約20万円増えた」(同)と言う。

ターニングポイントとなったのは、アパレルの発売だ。

「ポップアップストアの出店に合わせて、試しにTシャツを出してみたところ、好評だった。自分たちの好きなカルチャーと相性が良いので、2021年から本格的にECサイトでも販売するようになった」(同)と話す。


▲"KAMAKURA LOCAL SESSION" CREW SWEAT

アパレルにおいてはサイズに関する問い合わせが多く、課題を感じたという。そこで、バーチャル試着ツール「unisize」を導入した。

「ツールを入れたことで『お客さんのことを考えてくれるブランド』という認知が増えた。2022年には、再販してもすぐに売り切れる商品も出た」(同)と手応えを感じている。

同社の特長は、細やかなSNS運用にある。インスタグラムは企業としてではなく、藤井氏自身が「のぶ」として運用する。

「商品写真だけではネタが尽きてしまう。制作風景や、デザインの段階で『どちらがいいと思う?』と聞くような『裏側』を発信したことで、ファンの育成ができている。『好きな歌詞からデザインした』などの思いを伝えることができ、商品価値も高められている」(同)と話す。

ユーザーからのDMにも対応することで、顧客の不安の解消やクロスセルにつなげている。

「日々の発信を大切にしている。インスタグラムでは関係性を構築するほど、見やすい位置に投稿が出るようになるので、メリットが大きい。自分も楽しみながら、ブランドとして差別化をしている」(同)と言う。

今後はポップアップストアの展開に注力する方針だ。

「名古屋の大規模なイベントで2日間出店したときよりも、神奈川・大船で小さなポップアップを1日、地元のつながりで開いたときの方が、売り上げが良かった。来場人数ではなく、興味や関心が高いファンが集まれるイベントを企画していきたい」(同)と意気込んだ。




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