2023.10.30

「eBay」、2023年第3四半期の越境ECトレンドを公開 トレカの取引高が54%増


【カテゴリー別のトレンド】
2023年第3四半期に日本から多く売れた商品や注目度の高い商品をイーベイ・ジャパンの各カテゴリー担当者がピックアップした。

<コレクティブルズカテゴリー>
・イーベイ・ジャパン カテゴリーマネージメント部 カテゴリーマネージャー 市田良介氏

トレカは第3四半期も大きく伸長し、前年同期比が驚異の50%超えとなりました。6月に発売した「ポケモンカード151」の売り上げが引き続き牽引したとみられます。ポケモンカードは、「eBay.com(アメリカ)」サイトだけでなく、EU圏やオーストラリアでも売れ行き好調で、多様なトレカがある中でもスポーツトレカを除いてはトップでした。横浜で8月に開催された「ポケモンワールドチャンピオンシップス」による盛り上がりもあったようです。ポケモンカードが主に売上シェアを占めますが、実写ドラマが始まった「ONE PIECE」のトレカも伸長。高単価トレカランキングにある2つの「ポケモンカード」と「ONE PIEC」Eカードは3商品すべてが同額の約150万円で販売されました。他にも「遊戯王カードゲーム」が来年25周年を迎えるため、注目しています。



鑑定されたカードの売り上げも好調に推移しています。世界的に有名なカード鑑定会社のPSAが日本国内で鑑定サービスを開始したため、鑑定速度も上がり、今後追い風になりそうです。鑑定済カードはPSAが牽引しているものの、BGS鑑定のものも増えています。

販売者数も順調に推移しており、「eBaymag」(多国展開ツール)の影響もあって、出品点数も増加しています。トレカカテゴリーは特にイギリスとオーストラリアサイトでの売上ボリュームが大きいため、注力すべきと考えます。また、日本郵便が10月1日より小包郵便物の引き受けを再開したため、低価格帯の商品も今後さらに活発に取引される見込みです。例年、第4四半期は売り上げが大きく伸びるので期待しています。


<自動車パーツ・カメラ・楽器カテゴリー>
・イーベイ・ジャパン カテゴリーマネージメント部 カテゴリーマネージャー 古谷まゆみ氏

【自動車パーツ】
ピックアップ商品に関して、今期は「GTR R33」の純正ヘッドライトが日本円にして約190万円で販売されました。すでに廃盤となっていることから日本でも後期仕様へのカスタマイズやストック目的で購入を検討している人が多くいる人気商材ですが、「eBay」では海外需要の高さと円安の影響から、国内オークションサイトの1.5倍の金額で売買されました。本商品に限らず、引き続き80年代~90年代の国産スポーツカーの純正パーツと海外でも名高いアフターマーケットパーツの需要は継続しており、「eBay」を通じて日本から海外に売れた自動車パーツの市場規模は過去5年間で5倍の規模に拡大しています。

需要の高さはメディアの影響からも来ており、今年は「ワイルドスピード」の映画最新作が春に、「グランツーリスモ」の映画が夏に上映されたことからも、「JDM(Japanese Domestic Market)」の人気が加速した年といえます。そんな成長具合から、「eBay」の自動車パーツカテゴリーにおけるインターフェイスも日々改良が加えられており、購入者には自身の愛車と適合するパーツを検索しやすくする工夫がなされ、販売者には簡単に商品の部品適合情報をカタログから引っ張ることが出来る仕組みが導入されています。各国際配送会社の重量物に対するサービスも非常に手厚いことから実際に安心して売買が行われているため、過去にない勢いで伸びている自動車パーツの販売に、今踏み切ってみてはいかがでしょうか?




【カメラ】
カメラカテゴリーは元々高単価商材も多く、日本の著名メーカーの世界でのシェアが非常に大きいことから、第3四半期の円安の影響を大きく受けたカテゴリーといえます。ピックアップ商品は今期売れたNikonの望遠レンズで、カメラカテゴリーで日本から売れた商材の中で過去最高の単価$35000(日本円約507万円)を更新しました。

また、デジタルカメラは前年同期比+48%と全カテゴリーで第3位の伸び率となっており、なかでも日本からのコンパクトカメラの売り上げは前年比+101%と、2倍に成長しています。デジカメはコンパクト、レンズはマニュアルフォーカス、フィルムはプロフェッショナル仕様の一眼レフ等、各カテゴリーの売れ筋商材を理解し、更にeBaymagを活用することが、円安の恩恵を受けつつ売り上げを最大化できる動きであるということが、今期の販売傾向から顕著になりました。


・イーベイ・ジャパン カテゴリーマネージメント部 カテゴリーマネージャー 水田啓太氏

【楽器】
今期特に注目したのは、中古で極めて状態の良いシングルカッタウェイの「Gibsonレスポールジュニア」が$14000(約203万円)で販売されたことです。 本商品をはじめとした高額商品は円安が追い風となって販売数が増加し、一方で低価格帯商品も、コロナを機に室内で手軽に始められる趣味として楽器を始める人口が増えたことから販売数が増加。日本から売れている楽器の価格帯が二極化している傾向が見られました。 また、昨今楽器の購入転換率が上がっている理由は2つあります。

1つは昨年より商品の到着予定日を実際の到着日により近い設定に最適化した販売者が多く、以前に比べ短縮された到着予定日を提示するようになったことで購入者の購入意欲が掻き立てられたこと。 そしてもう1つは、シンセサイザーのような人気商品を出品する際に「鍵盤数」などよりバイヤーが求めている商品情報を入力する販売者が増え、商品ページそのものの質が上がったことです。 商品状態だけでなく丁寧な梱包に信頼がおけることから、あえて日本からMade in USAを購入する購入者も増えており、引き続きの成長が期待できます。


<ファッションカテゴリー>
・イーベイ・ジャパン カテゴリーマネージメント部 カテゴリーマネージャー 北爪紀子氏

百貨店をはじめとするオフラインのラグジュアリーマーケットが最高収益を更新する中、オンラインマーケットは全体的に苦戦を強いられましたが、それでもファッションカテゴリー全体の取引額は前年比+6%と堅調に推移しました。主力の2カテゴリーは引き続きハンドバッグ、時計とこの1年と通して変わっておらず、ほぼ横ばいで推移を続けています。第3四半期で大きく売り上げを伸ばしたのは、エルメスやルイ・ヴィトンを軸とした男性用バッグや「ヴァン クリーフ&アーペル」「カルティエ」を軸とした高級ジュエリーでした。

また、円安の影響もあり1000万円超えの「ロレックス」や「エルメス・バーキン」が安定した売り上げを維持しました。他にも、「パネライ」の限定モデルの腕時計や「エルメス」の「ケリー・ピクニックバッグ」などシーズン性のあるレアなアイテムやバリエーションに富んだ商品の販売が進んだ様子です。




<今後の予測>
・イーベイ・ジャパン カテゴリーマネージメント部 部長 北村直樹氏

第2四半期より続く日本のインバウンド需要の継続、アメリカの需要停滞、そしてドル円為替相場の安定など様々な要因から、多くのカテゴリーで売り上げが横ばいとなりました。しかしながら、特にトレーディングカードは売り上げの多くを占める「ポケモンカード」が世界大会などのビッグイベントや新作カードがヒットした影響で数字を大きく伸ばしました。またランキングには入っていませんが、季節性としてスポーツグッズが売り上げを伸ばし、特にゴルフ用品が好調でした。

世界情勢が不安定になる中ですが、第4四半期はトレーディングカード、ジュエリー、時計などより価値の高い商材の需要が高くなっていくと予想されます。






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