2023.09.15

かっこ、カード会社向け不正検知システムのインテリジェント ウェイブとカード不正対策強化に向けて協業

ECサイト向け不正検知システムトップシェアのかっこと、カード会社向け不正検知システムでトップシェアのインテリジェント ウェイブは9月13日、クレジットカード不正被害削減に向けた協業を開始した。加盟店(ECサイト)とカード会社が保有する情報を双方の不正判定等に有効活用し、より高度な不正対策の実現を目指す。

かっことインテリジェント ウェイブは、クレジットカード不正被害削減に向けた協業を開始した。

かっこは自社の有するセキュリティ・ペイメント・データサイエンスの技術とノウハウをもとに、アルゴリズムおよびソフトウエアを開発・提供することで、企業の課題解決やチャレンジを支援することを目指している。特にオンライン取引における「不正検知サービス」を中核サービスとして位置づけ、不正注文検知サービス「O-PLUX(オープラックス)」、不正アクセス検知サービス「O-MOTION(オーモーション)」を提供している。中でも「O-PLUX」は、国内で最も導入実績のあるサービスであり、これまで約11万を超えるサイトを対象にした審査を行ってきた。これにより蓄積された膨大な国内の不正注文データをもとにデータサイエンスのノウハウを活用し、最新の不正の傾向を分析し、高度な審査を実現している。


▲「O-PLUX」の概要

一方、インテリジェント ウェイブは、1984年の創業以来、カード会社や銀行向けに24時間365日止まらない決済システムを提供。そのノウハウや知見を活かし、1999年に不正検知システムの「ACEPlus」を開発した。2017年にはクラウド型の不正検知システムとして「IFINDS」を開発および展開しており、大手カード会社をはじめ20社以上の導入実績を持つ。製品開発と並行して不正対策の研究も進めており、2021年にはシリコンバレーのRobust Intelligence社と協業し、AIによるカード不正検知の精度向上を実現。2022年にはJCB社との業界横断の不正利用対策を推進するセキュリティコンソーシアムの立上げや、PKSHA Technology社とAIを活用した不正に関するデータを導入社間で共有できる「FARIS 共同スコアリングサービス Powered by PKSHA Security」を開発するなど、国内の不正対策強化を推進している。



これまで、加盟店(ECサイト)における不正対策では、不正判定に使用できる情報は端末情報や配送先情報をはじめとした、加盟店が保有する注文情報に限定されていた。一方、カード会社側における不正対策でも、決済時の与信判定用に得られる限定的な情報と自社の保有する情報をもとに第三者利用の可能性を独自に判定していた。

今回、ECサイト向け不正検知システムでトップシェアのかっこと、カード会社向け不正検知システムでトップシェアのインテリジェント ウェイブの協業により、加盟店(ECサイト)とカード会社が保有する情報を双方の不正判定等に有効活用することで、業界横断的な不正対策を実現し、国内の不正利用被害額の低減を目指す。


▲協業イメージ図

直近で検討を予定している施策には、加盟店(ECサイト)における不正対策強化と、カード会社における不正対策強化、不正対策業務のDX化の2つを挙げた。

かっこが提供するECにおける不正注文検知サービス「O-PLUX」では、決済の与信判定前にECサイトにおける注文時の様々な情報を活用して不正取引を抑止しており、さらなる不正対策強化として、カード会社が保有する取引情報および不正判定結果情報等を「O-PLUX」に活用することで、不正被害の抑止を一層推進する。

カード会社における不正対策強化、不正対策業務のDX化においては、加盟店(ECサイト)側に位置する「O-PLUX」が保有する情報(不正配送先情報、注文情報等)を、インテリジェント ウェイブが提供するカード会社向け不正検知サービス「ACEPlus」および「IFINDS」へ連携し、カード会社における不正対策への活用を検討する。また、カード会社および加盟店が持つ情報を利活用した、不正対策業務の効率化や自動化についても検討予定としている。

クレジットカード不正利用被害額は、2022年度は過去最多の436億円、さらに2023年1月~3月のカード不正利用被害額は121億円に上り、前年同期比で23.1%増加している。増加を続ける被害に対し、経済産業省よりクレジットカードシステムのセキュリティ対策のさらなる強化に向けた方向性について、「これまで各社が取り組んでいたノウハウやデータ等を共有することで、より高度な不正検知の実現を目指すことが期待される」とされている。こうした状況を受け、かっことインテリジェント ウェイブは、双方の不正検知分野の垣根を越えて協業することでより高度な不正対策の実現を目指す。

今後は本協業を通じて、かっこ、およびインテリジェント ウェイブが持つカード不正に関する情報をEC事業者、カード会社、決済関連事業者に対して広く提供することで、業界全体に貢献する不正検知精度のさらなる高度化を目指す考えを示した。本取り組みについては、今後各社の参画を募り、2023年秋頃から2024年末まで効果検証を実施する予定としている。

本協業にあたり、インテリジェント ウェイブの代表取締役社長 佐藤邦光氏は、「カード不正利用被害は年々増加しており、不正対策を強化することは業界を挙げての課題といえます。今回、ECサイト向け不正検知システムにおいて多数の実績を持つかっこ株式会社との協業は、業界全体ひいては日本の決済を守る大きな一歩となると確信しています。国内の不正利用増加という課題を解決するために、日本の企業同士が協力することは非常に意義深いことであり、私たちはその一員として、より安心安全なキャッシュレス決済の実現に貢献したいと考えています」と述べた。

かっこの代表取締役社長CEO 岩井裕之氏は、「2011年以来、かっこはEC事業者や証券会社、銀行などに幅広い不正対策を提供してきました。その中でも、EC事業者向けの不正注文検知サービス『O-PLUX』は、4年連続で国内導入数No.1の実績を誇り、これまでに11万サイト以上の不正対策を支援してきました。不正手口は日々巧妙化し、多様化していますが、かっこは精度の高い多面的な不正対策を目指し、日々研究開発に取り組んでいます。今回、カード会社向けの不正検知システムにおいて、実績豊富なインテリジェント ウェイブと協業することで、業界を超え不正検知の精度向上に貢献する重要な1歩を踏み出します。双方のノウハウとデータを活用し、より迅速かつ高度な不正検知の実現をきっかけに、様々な形で不正被害撲滅に貢献してまいります」とコメントした。




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