2023.09.14

アクル、クレジットマスター被害増加 オーソリ承認率の低下の原因に

クレジットカード決済のセキュリティーサービスを提供するアクルはこのほど、クレジットカードの不正利用検知・認証システム「ASUKA」のデータをもとに、クレジットマスターアタック(クレマス)の不正傾向を分析し、被害ペースが増加傾向にあると発表した。
 
これまでは正月やゴールデンウィークといった大型連休中にクレマス被害が頻発する傾向があったが、今年に入ってから時期を問わずに相談や問い合わせがあるという。以前は寄付系のECサイトの被害が目立っていたが、最近では会員登録ページを持つEC全般の被害が広がっている。
 
「ASUKA」のクレマス版のスコアリング件数は年々増加傾向にあり、2021年のスコアリングは年間3万件に対し、2022年で60万件、2023年は140万件のペースでクレマスアタックかどうかを判定したという。
 
クレマスアタックは、商品やサービスが不正に注文されるわけではないため対策を後回しになりがち。クレマスによる被害に遭うことで、本来は支払わなくてもいいクレジットカードのオーソリ処理の金額が請求されてしまう。近藤修社長は「通常の請求費用から大幅に増えたことで初めてクレマスに気づくこともある」と話す。
 
こうした直接的な経済損失だけでなく、決済代行会社などからECサイトのクレジットカード決済を止められるリスクもあると指摘。カード会社がオーソリの承認率を下げてしまうという。一般ユーザーが商品購入できなくなるリスクが出てくることに加え、一度低下したオーソリ承認率はなかなか元に戻らない傾向もあると指摘する。
 

▲ペット用品・ペットフード販売を行う加盟店のスコアリング状況

近藤社長は「ここ1~2年は、当社の製品を利用することでクレマスを防止するECが増えている。導入企業では被害を防止している。自社で防ぐには限界があり、当社のような仕組みを利用して防いでほしい」と話している。






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