2023.09.08

国民生活センター、個人輸入した医薬品や化粧品への注意を促す

国民生活センターは9月6日、インターネット通信販売等を利用して海外から医薬品や化粧品等を購入し、使用する場合の注意点をまとめた資料を公開した。美白クリームとの認識で使用した商品に医師の処方が必要な成分が含まれていた事例を挙げ、消費者への注意を促した。

国民生活センターは、インターネット通販で購入し、海外から直送されてくる医薬品、化粧品等による危害の報告が寄せられているとし、消費者が個人輸入した医薬品、化粧品等を使用する場合のリスク等についてまとめた資料を公開した。

きっかけとなったのは、2023年6月に国民生活センターの「医師からの事故情報受付窓口」に寄せられた、「患者(20歳代、女性)がインターネットの評判を見て購入した美白クリームを、皮膚の色素沈着のある部位に使用したところ、かぶれて色素沈着がより強くなった」との情報。医師によると、患者は同年5月に当該品を化粧品の美白クリームとの認識でインターネット通信販売で購入して使用したようだが、当該品の表示等について調べたところ、国内では医師の処方が必要な医薬品成分が含まれていたという。

含まれているとされた医薬品成分は作用が強く、基本的に軟膏として顔への使用は禁忌とされているものだが、当該品を販売しているサイトには顔にも使用している事例を宣伝しているところもあるとの情報をもとに、当国民生活センターで当該品について調べたところ、主に医薬品の個人輸入サイトで購入が可能な商品だった。

こうした状況を受け、インターネット通信販売等を利用して海外から医薬品や化粧品等を購入し、使用する場合の注意点をまとめ、消費者への注意喚起を行うことに至ったとしている。

インターネット通信販売で医薬品や化粧品等を購入し、海外から商品が直送されてくる場合は、個人輸入に該当する。個人輸入代行業者を利用した場合や海外の旅行先で購入して持ち帰る場合も同様だが、個人輸入した医薬品、化粧品等は、品質、有効性及び安全性について、国内の法的規制を受けず、国内での基準から外れるものもある。販売サイト等での記載や商品の表示や説明が日本語ではない場合もあり、使用方法や注意表示等の内容を正しく十分に理解できないまま購入したり、使用してしまうことも考えられる。

そのため期待した効果が得られないばかりか、体調不良を起こすなど、思わぬ健康被害を受けてしまう危険性があるとし、医薬品や化粧品等を個人輸入する場合は、販売サイトの記載内容をよく確認した上で購入の判断をし、商品の表示等を十分に理解してから使用する、個人輸入した医薬品や化粧品等の使用に伴い体調に異変が生じた場合には、速やかに医療機関を受診するように呼びかけた。

さらに消費者庁、厚生労働省に、個人輸入する医薬品や化粧品等には、品質、有効性及び安全性の確認が不十分なものがあるとし、そうしたものを使用した場合、思わぬ危害に遭う可能性があることを引き続き消費者に注意喚起するよう要望した。




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