日本Xreal（エックスリアル）が2022年に発売した、サングラスのようなARグラス「Nreal Air（エヌリアル・エアー）」が、近年販路を急拡大させている。家電量販店のECや実店舗での取り扱いも増えている。2023年6月からは、新たに開設した自社ECサイトでの販売も開始した。同商品の用途は、映画鑑賞やゲームといった娯楽だけではない。複数画面を表示でき、ビジネスにも活用できる点が、幅広い層からの需要をつかんでいるようだ。
同商品は76グラムと軽量。そのため、違和感がなく、長時間つけていても疲れにくいという。サングラス越しに見ると、空間に画面が映しだされる仕組みになっている。「市場ではVRゴーグルが人気となっているが、重くて長時間つけられないという声を聞く。価格も高額なものが多い」（呂正民代表）と話す。同商品は税込4万5980円とそこまで高額でもない。持ち運びが容易な点も、VRゴーグルとの差別化になっているようだ。
映画鑑賞やゲームをする際には、最大130インチの大画面で表示ができる。複数画面の表示もできるため、ウェブ会議をしながら、資料を見るなど、ビジネスシーンでも使いやすいのだという。
「スマホやタブレットで映像を見ることが主流になり、どこでも映像が見られる時代になった。一方、画面は小さくなってしまった。『スマホの映像を大画面で、どこでも視聴できる』といったことを可能にしたのがこの商品だ」（同）と話す。
「まだまだARグラスの認知は低い。今後はリアルの場を含め、体験が重要になってくるはずだ。娯楽・ビジネスだけでなく、教育などにも需要はあるはずだ。他社を巻き込み、ARを使った新しいコンテンツをどんどん提供していけたらと思う」（同）と話している。
