2023.05.14

三川内陶磁器工業協同組合、三川内焼の魅力で「深いファン」育てる 繊細な文様が特徴

長崎県佐世保市で陶磁器を製造する窯元が組織する、三川内陶磁器工業協同組合はECサイトで、三川内焼の魅力を伝え、商品を販売している。こだわりを知ってもらい、「深いファン」を育てている。
 
三川内焼は、長崎県佐世保市三川内町で作られる陶磁器の銘柄。「一枚絵のようだと評する声が多い」(中里峰幸代表)という繊細な文様が特徴だ。受け継がれた技術で施された細工で、芸術作品としての評価も高い。近年は、手頃な豆皿で、幅広い年代にファンが増えている。
 
ECサイトは、三川内焼を作る22の窯元から構成された組合が運営している。全国の人に伝わるよう情報発信しているECサイトは、商品の見せ方にこだわっている。
 
商品ページを白バックにしたのは、色や細工が見えやすいようにするためだ。代表的な白磁に青の文様が施された作品では、三川内焼の繊細なデザインが伝わりやすくした。
 
三川内焼の焼き方や細工の方法など、伝統技法のこだわりも伝えている。例えば、登り窯を紹介するページでは「普段見えないところについて、窯元の職人が語っている」(同)。作り手の顔が見えるサイトで、商品の背景にあるストーリーを紹介している。


▲「豆皿」は若い世代にも人気がある

こうした三川内焼のこだわりを発信するのは、「深いファン」を育てるためだという。「すべての人が好きになるとは思っていない。こだわりを知り、深く見てもらうことで、いわゆるオタクのようなファンに商品を届けたい」(同)と話す。この狙いが奏功し、単価向上とリピーター獲得に成功した。
 
三川内焼の認知を拡大するために、早くから実店舗とオンラインの両方でイベントを実施してきた。8年前から東京・渋谷ヒカリエで豆皿1000枚を展示販売する豆皿市を定期的に開催。リアルで掴んだファンは、ECサイトでの購入にもつながっている。
 
佐世保市の現地で開催される陶器市や「はまぜん祭り」に合わせてウェブ陶器市の取り組みも実施している。SNSでのPRと併せて、現地への来訪も促していく。
 
今後も、こだわりを伝え、「深いファン」への訴求を進めていく考え。






RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事