2023.01.13

【ファッションD2C特集】テックで顧客体験アップ!「ユーザーの限界を突破する」


クロシェ、データ分析×EC リピート施策の強化で売上3倍の事例も


スカート中心のブランド「TRECODE(トレコード)」などを運営するクロシェは2022年5月、MAツール「EC Intelligence(イーシーインテリジェンス)」を導入した。同ツールを活用して、顧客データ分析とCRM施策を強化したところ、顧客のサイトへのアクセス数や、再購入率が大幅に向上したという。顧客の誕生日メールを刷新したところ、誕生日メール経由の売り上げが従来比で3倍に跳ね上がったとしている。クロシェでは、自宅で複数商品を試着して不要な商品を返品できる、独自の試着サービスを提供している。顧客分析と試着サービスの組み合わせが、相乗効果を生んでいるようだ。


▲クロシェ 山極貴之氏


「ここち良さを、あたらしい視点から」


クロシェは、「ここち良さを、あたらしい視点から」という理念を掲げ、複数のアパレルブランドを展開している。

「TRECODE(トレコード)」のターゲットは、30~40代の大人の女性。カラーバリエーションが豊富な「神戸・山の手スカート」シリーズなどが人気となっている。



神戸生まれのバレエシューズブランド「farfalle(ファルファーレ)」も、手掛けている。定番のラウンドトゥバレエシューズや、ポインテッドトゥのバレエシューズなどをそろえている。

2020年に立ち上げた、「farfalle CLASSICAL(ファルファーレクラシカル)では、体温を感知し足裏の形にフィットする素材を採用した靴や、疲れにくい設計を採用したヒールなどもラインアップしている。「合わない靴が原因で足が痛い」といったことにならないよう、科学の力で、履き心地の良さにこだわった商品を開発しているという。

「質の良さと機能的なデザインで、長く愛着を持てる一着に出会える」をコンセプトとしたレディースアパレルブランド「ENTO(エント)」も展開している。



同社では、ECや実店舗での展開のほか、百貨店の催事にも積極的に出店している。催事をきっかけにブランドのことを知った顧客が、インスタグラムのアカウントをフォローしたり、ECサイトを訪れたりしてくれるケースも多いという。


MAツール「EC Intelligence」を導入


クロシェはこのほど、CRM施策を強化する目的で「EC Intelligence」を導入した。ユーザーが、どの商品ページを閲覧し、どの程度の時間滞在したのか、といった情報を基に、顧客を分析。商品や広告のクリエーティブの分析・改善にもつなげている。顧客一人一人にマッチした、商品のレコメンドメールの配信も行っているという。

特に成果が出たのは、商品をカートに入れたまま離脱した顧客へのリマインドメールの施策だ。 

ツールの導入前も、カゴ落ちした顧客に対して、「商品がかごに入っています」という内容のリマインドメールは送っていた。

ツールを活用し、新たに送付を開始したリマインドメールでは、カゴ落ちした商品を知らせるだけでなく、「顧客がサイトを回遊中に閲覧した商品」についても表示するようにしたという。

複数の商品を提案するようにした結果、リマインドメ―ル経由の売り上げは、導入前比で30%増加したとしている。

同ツールを使って「誕生日メール」を刷新した結果、同メール経由の売り上げが3倍になったという。

同社では以前から、誕生日の顧客に対して、ECサイトで使えるクーポンを、メールで送付していた。

ツールの導入後は、顧客の誕生月になったタイミングと、誕生日当日の二つのタイミングでクーポンを送るようにした。メールの内容も、過去にサイトを回遊した際に閲覧した商品を掲載するようにしたという。

その結果、売り上げは3倍に伸長。誕生日メール経由のアクセス数は5倍に増加したとしている。
 

靴を履きやすく選びやすく 


クロシェでは、「ファルファーレ」について、「複数サイズのシューズを同時注文し、いらない商品を後日返品」することができる試着サービスを提供している。「シューズは欲しいが、自分に合うサイズかどうか分からない」という顧客は多く、そうした顧客の購入の心理的ハードルを下げるための取り組みだという。



試着サービスでは、同じ型、同じ色のシューズを、2~3サイズ注文することができる。試着後の返送料は無料だという。

クロシェのECサイトでは、試着サービスのページを見た人が購入に至る割合は、見ていない人に比べて5~6倍高いそうだ。

クロシェでは、試着サービスと「EC Intelligence」の相乗効果が期待できることから、今後、二つを組み合わせた施策も検討中だとしている。

「EC Intelligence」は、ECサイト内を回遊するユーザーに対して、行動に合わせてポップアップでメッセージを表示する機能も搭載している。

クロシェでは、同機能を活用し、新規顧客に、会員登録を促す施策も実施している。

ECサイトの新規ユーザーに対して、「会員登録すると500円OFF」と表示したポップアップを表示するのだそうだ。会員登録した顧客には、商品のレコメンドメールを配信しているという。


■クロシェのサイトはこちら
https://www.cloche.shop/

■「EC Intelligence」の詳細はこちら
https://www.scinable.com





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