2023.01.06

Shopify、エンタープライズ規模の小売企業向けソリューション「Commerce Components by Shopify」 を提供

世界トップクラスのコマースプラットフォーム「Shopify(ショッピファイ)」を運営するShopifyは1月3日、エンタープライズ規模の小売企業向けに「Commerce Components by Shopify(コマース・コンポーネンツ・バイ・ショッピファイ)」を提供すると発表した。これにより小売企業は、「Shopify」の拡張性あるインフラをコンポーネント化した機能を必要に応じて組み合わせたり、APIで既存システムと統合することで、優れたコマース体験を顧客向けに実現することができる。

Shopifyは、世界屈指の小売プラットフォームを形成する多様なコンポーネント上に構築されているインフラを提供。20年間に渡りこのインフラの構築や最適化、拡張に取り組み続けており、現在では米国のEコマース市場における10%以上の売上を支え、5兆ドル超の取引を実現している。また、何百万もの企業や小売業者にブランドアイデンティティをはじめ、顧客との関係性やデータを一括管理できる製品を提供している。

このほど、自社のインフラをコンポーネント化し、エンタープライズ規模の小売企業向けの「Commerce Components by Shopify」として提供を開始する。Shopifyが提供する製品を機能ごとにコンポーネント化しており、企業はそれらを必要に応じて自由に組み合わせ、既存の自社システムと統合することが可能だ。

「Commerce Components by Shopify」では、レート制限なしの柔軟なAPIの提供により、小売企業は既存サービスをShopifyのモジュラーコンポーネントと統合し、あらゆるデバイスに対応した他にない優れた顧客体験を実現できるシステム構築を実現できる。小売企業は必要なコンポーネントのみを取捨選択可能なうえ、開発者はあらゆるフロントエンドのフレームワークを利用して自由にシステムを構築することが可能だ。

グローバルスケールな基盤もShopifyならではの特徴の1つだ。「Commerce Components by Shopify」を利用する小売企業は、99.95%の稼働率と世界最高峰のコンバージョン率を誇るチェックアウト機能や、1ブランドあたり1分間最大4万件のチェックアウトをこなす処理能力、1億人超の購買者が利用経験を持つ、ワンクリックでチェックアウトできる「Shop Pay」など、高い信頼性を誇るコマースプラットフォームを利用できる。275以上のネットワークエッジを持つShopifyのグローバルなインフラを活用することで、購買客が世界のどこにいても、高速なストアフロントを提供可能だ。

「Commerce Components by Shopify」の提供にあたり、ソリューションアーキテクトを含む専任アカウントチームや、24時間365日の専門サポート、経験豊富なエージェンシーパートナーやシステムインテグレーターのネットワークなど、世界最大級のコマースエコシステムと提携。さまざまなサポートを行う(2023年1月現時点では英語での対応のみ)。

これらの機能により、エンタープライズ規模の小売企業向けに設計された革新的なバックオフィス管理を実現し、小売業者が将来の成長を見据えてシステムを構築する際に必要とされるスピードと柔軟性を提供する。

小売企業は、テクノロジーの急速な進化や顧客の嗜好の変化に対応していくことが求められる中で、競争力を維持していくためにリアルタイムなイノベーションを必要としている。それを実現するため、優先すべき事項への対応から開始でき、既存システムとの統合に加え、革新に取り組める柔軟性を備え、チームの迅速な活動をサポートできる信頼性の高いインフラストラクチャのコンポーネントを提供できるコマースソリューションが求められているが、エンタープライズ向けの製品でこれら要素をまとめて兼ね備えたものはこれまで誕生していなかった。

「Commerce Components by Shopify」は、小売企業が求めるこれらの長所を持ち合わせた初の製品として提供を開始するとしている。これにより小売企業は、最適な「Shopify」の高機能コンポーネントの利用が可能になり、たとえば購買者が商品をカゴに入れて支払いを完了するまでの「チェックアウト」を行うコンバージョン率を72%、モバイル環境では91%向上する。さらに柔軟なAPIを使用し、小売業者が希望するバックオフィス・サービスとシームレスに連携することで、ダイナミックな顧客体験を実現することができる。

Shopifyのプレジデントであるハーレー・フィンケルスタイン (Harley Finkelstein) 氏は、「Commerce Components by Shopify」の提供にあたり、「Shopifyは、常に小売業者が必要とするものを予測し、その解決策を提供することによってイノベーションを実現してきました。『Commerce Components by Shopify』を投入してShopifyのインフラ利用を提供することで、小売企業はクリティカルな基盤構築に費やす時間・技術力・資金を節約でき、他方でカスタマイズ・差別化・拡張に注力することが可能となります」とコメントした。

「Commerce Components by Shopify」を初めて導入する企業の1社である、米国を代表する玩具メーカーブランドのマテルは今後、全ブランドポートフォリオをShopifyに組み込む予定としている。マテルのCTOであるSven Gerjets氏は、「イノベーションはマテルの中核にあります。我々がShopifyとまず取り組んだプロジェクトは『Mattel Creations』と呼ばれるもので、クリエイターが世界で最も象徴的なおもちゃを再考するプラットフォームを構築するためでした。プロジェクトは順調に進み、我々はお客様のいる場所で迅速に対応できるようになりました。そしてShopifyのインフラを活用することで、このプロジェクトをグローバルに拡大することができました。プロジェクトは大きな成功を収めましたし、『Commerce Components by Shopify』を活用してブランド提供を変革していくことを楽しみにしています」と述べている。

また、デロイトのグローバルデジタルリーダーであるSam Roddick氏は、「迫り来る不況時に、今あるデジタル・データ時代が小売企業にとって千載一遇であるといえます。デジタル広告のランドスケープをシフトしたり、あるいは差別化された形で顧客にアプローチするといったこともできるでしょう。困難な時だからこそ、それに立ち向かうべく我々の顧客とプラットフォームを提供するパートナーとが最高の提携を実現してきた事例を見てきました。だからこそ、Shopifyと協力し、『Commerce Components by Shopify』を世界中のエンタープライズ規模の小売企業に提供できることを大変嬉しく思います。Shopifyはコマース領域における業界リーダーであり、『Commerce Components by Shopify』は世界最大級の小売企業を次のコマース時代へと押し上げるための支援につながる製品になると期待しています」とコメントした。




RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事