2022.04.28

富澤商店、今期EC売上着地は35億円に ウクライナ情勢による”勘違い”需要も

小麦粉などの菓子用食材や菓子用資材などをECで販売する富澤商店はこのほど、2022年8月期のEC売上高が35億円で着地する見込みであることを明らかにした。バレンタインの手作り需要が拡大し、売り上げが伸びた。「ウクライナ情勢を背景に小麦の価格が上がる」という噂が流れたことから、3月に小麦粉の需要が拡大。こうしたことも、売り上げが伸びる要因になったという。
 
富澤商店では、「TOMIZ(トミズ)」ブランドで菓子用食材・資材をECで販売している。2020年8月期は、コロナ禍の巣ごもり需要で売り上げが急伸。2021年8月期は需要が一服し踊り場となったが、22年8月期は再び増収に転じる見込みだという。
 
2022年2月のバレンタイン需要についての事前予測では、「ECでの需要は伸びない」と見る向きが多かったという。2021年10‐12月にコロナの感染が落ち着きを見せていたことから、「外出して消費する人が増える」と予想する人が多かったのだ。実際は、オミクロン株の感染の再拡大の影響で、まんえん防止措置が取られたことなどから、巣ごもり需要が再び高まることとなった。在宅でのお菓子作りの需要が伸びたとしている。
 
同社では、バレンタイン需要の拡大などから、2021年9月-2022年2月期(中間期)の売上高が前年同期比10%増になったという。
 
富澤商店では、2022年3月度の月商も前年同月比で20%増となった。要因は、ウクライナ情勢に伴い、小麦粉の値段が高騰するという”勘違い”が広まったことだったという。
 
市場では、「4月から小麦粉が値上がりするかもしれない」という見方が強まっていた。その影響で、3月に小麦粉の注文が急増。配送がパンクするほどの事態となったという。同社では、小麦粉の供給が実際にひっ迫するのは22年7月になりそうだとみており、ECサイトのバナーでも、現在は小麦粉の供給が安定していることを告知しているという。
 
3月以降も売り上げが拡大傾向にあることから、2022年8月期の売上高は、前期を大きく上回ると予想しているという。



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