新経済連盟は1月25日、消費者庁が開催している「アフィリエイト広告等に関する検討会」の報告書のとりまとめに関し、アジアインターネット日本連盟と連名で、内閣府特命担当大臣、消費者庁長官など関係各所に宛てて意見を提出した。アフィリエイト・プログラムに関係する事業者に広く影響を及ぼす同とりまとめに対し、経済団体としての懸念と要望を表明した。
消費者庁は、インターネット上の広告手法の多様化・高度化などに伴い、アフィリエイト広告市場が拡大していることなどを踏まえ、「アフィリエイト広告等に関する検討会」（以下：検討会）を開催し、アフィリエイト広告における不当表示への対策を検討している。
新経済連盟とアジアインターネット日本連盟は、不当表示を行い、消費者トラブルを引き起こす悪質業者への対策を講じるべきとの考えを示し、同検討会の実施を支持する一方で、とりまとめの内容によっては、アフィリエイト・プログラムを提供する事業者、アフィリエイト・プログラムに広告主として参加する販売業者等、媒体の運営事業者等にも広く影響を及ぼしかねない問題であることから、内閣府特命担当大臣、消費者庁長官など関係各所に宛てた意見書を提出した。1月28日の第6回検討会の前に、経済団体としての懸念と要望を表明した。
意見書では、アフィリエイト広告の健全な発展と悪質業者対策が両立するような対策とすべきであり、健全な事業活動を行う事業者に過大な負担を強いることでアフィリエイト広告の利用を困難にすることのないようにすべきとの意見を示した。
ひと口にアフィリエイト・プログラムといっても、対象となる商品・役務の多様性、広告内容に関する広告主の関与の有無やその程度、プログラムに参加するアフィリエイターの数などは様々であること。アフィリエイターによる表示は、 消費者による感想や中立的立場からの評価も含まれること。広告主からアフィリエイターに表示内容に関する指示をさせないことで、不当表示の防止にも繋がること。広告主に対して、あらゆるアフィリエイターによるあらゆる投稿（感想の投稿も含む）の事前確認、事後確認、 表示内容の保存等を事実上義務付けることは、不可能を強いるものであることを理由に挙げ、アフィリエイターによる表示に問題となる表示があった場合に、 アフィリエイト・プログラムに参加しているだけですべからく広告主に責任が発生するといった考え方や、自らが表示内容の決定に関与していないアフィリエイト広告についてまで広告主に責任が発生するといった考え方は取るべきでなく、法律上どのような場合に広告主が表示内容の決定に関与したと評価でき、法的責任を負わせることができるのか、どのような場合に誰がどのような取組を行うことで不当表示が効果的に防げるのか、執行上の課題も踏まえ、効果的かつ実現可能な対策の検討をすべきであるとの意見を述べた。
意見の全体は、新経済連盟から見ることができる。
「アフィリエイト広告等に関する検討会報告書のとりまとめに当たっての意見」https://jane.or.jp/app/wp-content/uploads/2022/01/20220127document.pdf
