2024.10.18

フリマアプリ「楽天ラクマ」、「お届け前鑑定」も行う『ラクマ最強鑑定』提供 コメ兵と偽造品流通防ぐ

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コメ兵 カンテイ事業部 部長 松波之浩氏(左)、楽天グループ ラクマ事業部 ジェネラルマネージャー 長谷川健一朗氏(右)

楽天グループ(楽天)が運営するフリーマーケットアプリ「楽天ラクマ」は10月17日、コメ兵と協業し、購入者が商品の検品を依頼できる新サービスの提供を開始した。二次流通における偽造品撲滅に貢献するのが目的だ。

楽天は今年1月、「楽天ラクマ」で購入した商品の到着後に購入者が検品を依頼し、指定の場所へ商品を送る「ラクマ鑑定サービス」の提供を開始した。2023年11月の試験運用開始前と比較し、今年9月の利用件数は約3.3倍となり、利用者からは「不安が払拭された」「コメ兵の信頼性が高い」といったポジティブな評価が多かったという。

今回、提供を開始した「ラクマ最強鑑定」は、無料で購入者の手元に届く前に検品ができる「お届け前鑑定」機能を追加した。今年1月から提供している商品配達後に検品を依頼できる「後から鑑定」と併せて提供する。どちらの鑑定サービスが適用されるかは、配送方法と「楽天ラクマ」側で定めた一定の基準を踏まえて自動的に決まるという。

「お届け前鑑定」は届ける前に検品することで、取引の完了までの期間を短縮できる。対象となる商品の検索結果や商品詳細ページに、「お届け前鑑定」または「後から鑑定」の機能名をバッジとして表示して、利用者に周知する。


▲「ラクマ最強鑑定」の利用イメージ

偽造品の出品者に対しては、「偽造品だと知らずに出品してしまう可能性もある。状況に応じて、アカウント制限などの適切な対応をする」(楽天グループ ラクマ事業部 プロダクト・サービス企画課 シニアマネージャー 樋口量祐氏)と話した。


▲Aは基準外、Bは基準内

鑑定については、コメ兵の鑑定士による目利きやAIノウハウを生かす。楽天は中古品市場の偽造品排除に取り組み、健全で安心なリユース市場の形成を目指す考えだ。




▲判定のイメージ(画像は一部を編集)


「あきらめ層」に訴求


楽天が偽造品排除に注力する背景には、リユース市場とCtoC市場の拡大がある。リユース経済新聞によると、2030年にはリユース市場規模は4兆円に達する見込みだ。リユース市場の約半分をCtoC市場が占めるという。

「楽天ラクマ」全体の取引金額における約4割をファッションが占めることから、楽天はこれまでも出品商品のパトロール、出品者の審査、リユース業界の連携などに取り組んでいる。

「偽造品が疑われる取引の問い合わせ発生率は低下しているが、ゼロにはなっていない」(楽天グループ 樋口氏)と言う。

日本流通自主管理協会(AACD)の事務会長・姉川博氏によると、SNSの普及によりブランド品へのアクセスがしやすくなったこと、3Dプリンターなどの技術の向上により、精度の高い偽造品が増えたことで、偽造品の流通は増加傾向にあるとした。


▲日本流通自主管理協会(AACD)事務会長 姉川博氏

AACDは「消費者Q&Aセンター」で問い合わせを受けているが、件数自体はあまり増えていないという。その理由について、「『本物でなくてもいい』もしくは『リユース品を買うのを辞める』といった『あきらめ層』が増えているのではないか」(姉川氏)と話した。


▲楽天グループ ラクマ事業部 カスタマーリレーションズ&オペレーションズ課 シニアマネージャー 高橋慎太郎氏

「ラクマ最強鑑定」について、「コメ兵と連携することで、安心、安全にフリマアプリで買い物ができる環境を作る。『あきらめ層』にもぜひ『楽天ラクマ』使ってもらいたい」(楽天グループ ラクマ事業部 カスタマーリレーションズ&オペレーションズ課 シニアマネージャー 高橋慎太郎氏)と意気込んだ。

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