化粧品のD2Cブランド「Yunth(ユンス)」を展開するAiロボティクスは9月27日、東京グロース市場に新規上場する。同社はこれまで、AIを活用したウェブ広告の運用をメインとしてきたが、2022年に子会社のEC運営会社を吸収合併してから急拡大。2024年3月期の売上高は、前期比93.7%増の70億6100万円になったとしている。経常利益は同4.3倍の12億3400万円だった。
同社では、化粧品ブランド「Yunth」や、美容機器ブランド「Brighte(ブライト)」、プロテインブランド「NIJIPROTEIN(ニジプロテイン)」などを展開している。2024年3月期におけるD2Cブランド事業の売上高は、前期比2.8倍の69億6100万円だった。売り上げの大部分を、「Yunth」が占めているとみられる。
D2Cブランド事業の急速な成長には、自社開発した、AIによる広告運用システム「SELL(セル)」を使った新規集客が寄与しているとみられる。
2022年1月に本紙のインタビューに応じた龍川誠社長は当時、「SELL」を活用することで、過去の膨大な広告運用データを基に、消費者に刺さるクリエーティブを生成し、最適化することができると話していた。広告クリエーティブの出稿以前に、クリック率からCVR、顧客の購入単価、継続率、LTVなどの成果を事前に予測することが可能だとしていた。
同社ではこれまで、大手製薬会社系の健康食品・化粧品メーカーなどの、化粧品の広告運用を、手掛けてきたという。
2024年4月以降は、「SELL」を使った広告運用のリソースを自社のD2Cブランド事業にシフトし、他社への広告運用サービスの提供は限定的に行っているとしている。
同社のD2Cブランド事業の売上高のうち、約67%を、自社ECサイトが占めているという。
楽天市場やアマゾンなどのECモールの売上比率は約22%だとしている。