2024.06.24

日本通信販売協会、新会長に千趣会の梶原健司社長が就任 「人にやさしく、環境にやさしい」がテーマ

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新会長に就任した千趣会の梶原健司社長

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA/ジャドマ)は6月20日、第13回定時総会で新役員を決定し、総会後の理事会において第15代会長に千趣会の代表取締役社長を務める梶原健司氏の就任を決定した。

梶原新会長は就任会見において、「通販市場の規模が大きくなっており、コロナ禍以降に通販を利用する消費者が増えている。通販業界は社会的に重要な位置付けの業界であり、社会的責務が生じている。これは基本であるが、消費者が安心して利用できる通販という原点をしっかりと振り返りたい。その上で、JADMAとしてテーマに掲げている『楽しく便利な』通販につなげていきたい」と述べた。

さらに、「今後、世の中が激しく変化するし、生成AIなどIT技術も進化していく。そうなると通販のあり方自体も大きく変わる。消費者の意識や買い方も変わる。それに伴って、残念ながら不正を働く業者も出てくるかもしれない。都度、この問題は毎年のように起こるので、情報を共有しながら健全な通販を目指すことが大事だと考えている」と不正対策の重要性にも言及した。

新たなテーマについては、「さまざまな社会課題がある。少子化・後期高齢化にともない地方の過疎化などが進み、買い物弱者と呼ばれる人も増えている。そんな中、通販は弱い方々にも向き合う責務があると思う。そういった意味で、『人にやさしい』をテーマにしたい。そして環境問題も深刻化している。資源の有効活用、配送の効率化などに取り組み、CO2削減、カーボンニュートラルの推進を含めて、業界として環境問題に寄与するということが大事だと思う。『地球にやさしい』ということもテーマにしながら、今後の通販業界の発展につなげていければと考えている」と述べた。

通販業者がJADMAに加盟する魅力については、「われわれは安心・安全に向けてしっかり取り組んでいるので、会員企業になり、JADMAのマークが付いていれば、消費者にとっても安心だと思う。会員企業が増え、ガイドラインを守っていただくとともに、教育の場でも周知し、JADMAマークのステータスを上げていくことも大事だと思っている」と話す。

紅麹問題に端を発した機能性表示食品制度の見直しが進んでいることに対しては、「本当に機能性表示食品制度の問題であったのか、製造過程の問題もあったと思うので、本質的な部分が何だったのかを見ていきたい。法規制の問題も含めて、必要以上に業者が負担にならないように、行政に対応してまいりたい」と話した。

JADMAは消費者の信頼を得るためと業界の健全な発展のために、アフターケアの徹底、広告表現の適正化、消費者相談窓口での相談などを、消費者団体や、官公庁の消費者窓口などと協力して進めている通販業界を代表する公益法人だ。現在(6月20日時点)の加盟会員数は603社(正会員416社、賛助会員187社)。

2024年3月には「通信販売における物流の適正化・生産性向上に向けた自主行動計画」をガイドラインに追加し、同6月には「Web・情報セキュリティ専門部会」を新設するなど、時流に応じた活動を推進している。


【梶原健司(かじわら・けんじ)氏 略歴】
1961(昭和36)年6月20日 生まれ(満63歳)
1988年 ㈱千趣会入社
2009年 同社 執行役員
同社ファッション事業本部副本部長
2011年 同社 EC事業本部副本部長
2013年 同社 販売企画本部副本部長
2015年 同社 取締役執行役員
同社ファッション事業本部長、SPAブランド事業本部長
2016年 同社 東京本社代表、事業開発本部長
(株)千趣会チャイルドケア代表取締役社長
2018年 同社 代表取締役社長執行役員
2019年 同社 代表取締役社長




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