2024.05.31

インフォア、業界特化型の生成AIを発表 海外事例ではサービスコスト40%減に

インフォアジャパンのテリー・スマグ氏

世界的なERP(基幹情報システム)ソフトウェア企業であるインフォアの日本法人であるインフォアジャパンは5月23日、生産性向上やレポート作成を支援する生成AI「infor GENAI(ジェネレーティブエーアイ)」と、ESGレポート機能の提供を開始した。同日には、インフォアでアジア太平洋地域・日本担当シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務めるテリー・スマグ氏が、製品ビジョンなどについて語った。生成AIを導入した、海外の機械メーカーの事例では、修理にかかるサービスコストを40%削減できたとしている。

インフォアは、米国ニューヨークに本社を持つクラウドERPベンダー。世界中で1万4000社の法人顧客と契約しており、年商は約33億ドル(約490億円)だとしている。現在は、米国で石油やエネルギー、繊維、金融などを扱うコーク・インダストリーズの100%子会社となっている。

5月23日に公表した、「infor GENAI」は、あらゆるユーザーに対応した、業界特化型のAIだ。製造現場の生産性の向上や、需要の未来予測、顧客体験の改善、業務効率の向上、資産コストの削減、価格の最適化、労働効率の管理などといった点で、有効に活用できるとしている。

例えば、流通業における、商品の属性を自動で割り当てたりすることも可能。工場作業における、複雑なプロジェクトの例外事項の要約を作成することもできるという。顧客が行っている不必要な作業を、AIを使って削減することができるとしている。

すでに「infor GENAI」を導入している、シンガポールのフォークリフトメーカーのCOMBiLiFT(コンビリフト)では、フォークリフトの修理を担当する部門において、「infor GENAI」の活用を始めたところ、初回の修理率を30%高めることができるようになったという。サービスジョブコストも40%削減できるようになったとしている。

AIの導入以前は、フォークリフトの修理の依頼があった際の動きが煩雑だったという。まずはクライアントの現場に出向き、故障した機器の状態や、必要な部品のチェック。現場担当者からのヒアリングなどを行った上で、一旦会社に戻り、必要な部品を持って再度顧客の現場を訪問するといったケースが一般的だった。

AIを活用し始めたのちは、クライアント企業の修理の依頼内容などから、修理現場で必要な部品をAIが提案する仕組みを構築できるようになったという。その結果、初回の訪問時に修理ができるケースが30%増加したという。クライアント企業の現場と会社の往復などにかかっていたサービスコストが、40%削減できたとしている。取引1件当たりの収益は、30%高まったとしている。




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