2024.05.10

【「母の日」から新企画】 ビビッドガーデン 土井氏、大嶋氏「ご飯の作り手の知恵の継承目指す」

ビビッドガーデン 事業企画部 大嶋恵里氏(左)、プロダクト・プロダクトマーケティングマネージャー 土井花野氏(右)


産直通販サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデンは4月から、「”おいしい”をありがとうプロジェクト」を始めた。5月12日の母の日から、6月の父の日、9月の敬老の日まで半年間、取り組む。第1弾として5月12日の「”おいしい”を教えてくれてありがとう」をテーマに「母の日特集」を始めた。プロダクト・プロダクトマーケティングマネージャーの土井花野氏、事業企画部の大嶋恵里氏にプロジェクトの背景などについて聞いた。



――プロジェクトを始めた背景について聞きたい。
 
土井:「食べチョク」は、生産者と購入者をマッチングするためのECプラットフォーム。これまでは生産者にフォーカスしてきたが、毎日の食事に視点を向けると、「おいしい」の作り手は、食材を育む生産者さんだけではないことに気付いた。そこで、実際に購入しているのはどのような人なのかを調べようと、2月下旬から3月中旬にかけて会員向けにアンケート調査を実施した。

会員からは100以上のエピソードが寄せられた。利用方法や料理方法などは十人十色で、当社のサービスを通じて家族をつなげられる役割もあるのだと感じられるエピソードもあった。世間では「個食」と言われる中、おいしいもので、家族を再集結させる役割もあるのだと感じた。おいしいものが提供できる価値を改めて感じる機会となった。

そこで、「”おいしい”を教えてくれてありがとう」をテーマにしたプロジェクトを企画し、第1弾として母の日に向けた特集を始めた。また、作り手としては母親だけではなく、父親や祖父母まで幅広く設定し、父の日や敬老の日までの半年間のプロジェクトにした。

――料理の作り手の知見も失われつつあるとの指摘もある。

土井:生産者も失われつつある日本の宝の1つだが、ご飯の作り手も大事な宝。これが徐々に失われつつある。エピソードを読んでいると、台所で長い間、培われたなにげない知恵のようなものが失われつつあるとも感じている。

こうした料理は、生産者がおいしく育ててくれた食材があるからこそ。作り手の知恵を合わせて継承していけるようなことも考えたいと思う。

――具体的にはどのようなプロジェクトなのか?

大嶋:第1弾として4月11日から「母の日特集」を公開した。これまでの「母の日特集」では、フルーツやスイーツから選ぶという流れだった。



今回は「お母さんとの思い出」や「当日の過ごし方」などから選べるようにした。当日の過ごし方として「一緒にごちそうを楽しむ」「手料理を振る舞う」「一緒に料理をする」といったシーン別に細かく設定した。さらに、「お母さんの出身地」など故郷の味で食材を探すこともできる。



探す体験を提供することで、お母さんがこんなものを作ってくれたと考えるきっかけにしてほしいと考えた。今年はお母さんと一緒に料理をしようというきっかけになればと思っている。

土井:「これまではお母さんに贈る」ということを想定していたが、エピソードを読むと一緒に料理を作っている人もいた。中には、祖母が料理上手だから一緒に作りたいという人もいて、親子三代で台所に立っているという話もあった。ただ贈るだけではないというニーズも引き出せればとチャレンジした。

――SNSでキャンペーンを実施している。

大嶋:X(旧ツイッター)では、「#実家飯」の投稿を募集している。「お母さんが作ってくれたあの料理おいしかったな」「実家に帰ったらまた食べたい」といったような思い出の料理を投稿してもらい、抽選でプレゼントを贈る。すでに投稿は500件ほど(4月26日現在)が集まっており、日々増え続けている。

今回のキャンペーンを通じて、若い世代にも「食べチョク」を知ってもらえる機会につなげていきたい。

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