2024.04.22

<注目の越境EC「nomino」>ユアトレード 柳澤裕人CEO 「『返品ケア』『最短5分』の越境EC」【越境EC特集2024】

ユアトレード 柳澤裕人CEO


ユアトレード(本社東京都)の越境ECプラットフォーム「nomino(ノミノ)」に注目が集まっている。サービス開始の正式な発表はしていないが、すでに120社程度の登録がある。最大の特徴は最短5分、1クリックで越境ECが始められる点にある。返品や検品にも対応し、再流通品として同社で販売するスキームも備える。



最短5分で越境EC


――ノミノについて。

ノミノは、越境ECに特化した販売促進サービスだ。サイト運営は当社が担い、商品の出品などは企業(出品者)に依頼するスキームでプラットフォーム型の自社ECを展開している。
 
現在、米国のAmazonやeBay、東南アジア・台湾向け越境EC「Shopee(ショッピー)」のフィリピン、シンガポール、タイ、台湾など計六つの販売チャネルで展開している。近日中に、韓国のECプラットフォーム「COUPAN(クーパン)」でも展開し、今後も連携先を拡大する予定だ。
 
出品者における大きな特徴は手軽さだ。1クリックの最短5分で複数の越境ECチャネルで販売できる。商品の管理画面も非常にシンプルで各社が運営するECサイトと変わらない。唯一、越境ECのため為替のレートや輸送費、手数料などが画面上で変動するぐらいだ。当然ながら、インボイスにも対応できる。
 
また、当社は滞留在庫の返品課題に特化した再流通サービスを手掛けている。企業が販売した商品の返品業務などを当社が請け負い、返品処理と検品を行ったあと、再流通させて再販するものだ。
 
この再流通の仕組みもノミノに組み込んでいる。出品者は返品や検品などを気にする必要がない。この仕組みは、物流体制が整っている台湾と米国だけだが、いずれは全ての越境ECチャネルで展開していく。


売れ筋情報を共有


――サイト自体のマーケティングはどうか?

売れるマーケティングという観点で2つ有能な機能も持ち合わせている。
 
1つは、各チャネルで売れている情報をレポートできることだ。ページビューや商品ごと、プラットフォーム別など、それぞれを当社でデータ集計して情報を共有している。加えて、連携プラットフォームごとにエキスパートと組んで販売を支援している。
 
2つ目は、ノミノで何が売れているのかなどの販促レポートをメルマガ配信で共有している。ほかにも、商品価格といった値決めの情報なども出品者へ連絡している。
 
こうした情報をもとに、出品者は商品の選定をしていくことも可能だ。


――システムの費用は?

初期費用なしで、システム利用料が最低月額3万3000円、取引手数料が5%だ。しかし、今後、料金体系の変更も検討中だ。


海外流通領域をトータル支援


――会社とサービスのゴール設定はどこか?

サービスとしては、再流通ビジネスとノミノを軸に、海外流通領域のトータル支援にまで持っていく。
 
当社は物流も展開しており、事業は越境EC、再流通、物流の三つとなる。次は、それぞれの販売チャネル領域で、ECのみならず実店舗を含めて、現地の流通に当社のアイテムを乗せていく計画を立てている。
 
他にも、再流通サービスのノウハウを各グローバルエリアで早々に展開していく。台湾は軌道に乗ってきた。このノウハウをもとに先日、米国でサービスを開始した。
 
再流通の仕組みは各国共通事項が多いのと、事業者が他国展開していることから横展開できる。課題は、一緒に取り組む企業を早々に見つけることだ。
 
会社としては、日本で株式上場を目指している。当社が手掛けるサービス自体に価値を感じてくれる企業も増えている。こうした企業とともに、会社とサービスをより良いものにしていく。




■【越境ECトレンド分析】海外進出は不可避の選択肢に!?米国、中国、東南アジアの傾向は?
https://netkeizai.com/articles/detail/11331

■ECソリューションマップ2024【越境EC編】有力サービス紹介<カオスマップ付>
https://netkeizai.com/articles/detail/11332






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