2024.04.04

「楽天出店者友の会」、「楽天市場」出店料値上げに見解 負担増に懸念も前向きに対応

楽天出店者友の会 世話人の国分英一氏(左)と澤井理憲氏(右)


楽天グループは2月22日、「楽天市場」の基本出店料(月額固定費)を、6月1日から一律約3割値上げする旨を発表した。「楽天市場」の基本出店料について、「メガショッププラン」を10万円から13万円に、「スタンダードプラン」を5万円から6万5000円値上げに値上げするという。出店プランのアップグレードも同時に発表。「スタンダードプラン」と「がんばれ!プラン」の画像容量と登録可能商品数を大幅に引き上げるとしている。一連の値上げについて、楽天市場出店者友の会(以下友の会)の世話人を務める、nanapleの国分英一社長は、「中小規模の出店者には厳しい」としつつ、「出品アイテム数の多い店舗にとっては実質値下げになる」という見解を示した。同じく世話人を務める、澤井珈琲の澤井理憲常務取締役も、プラン改定のメリットの方が大きいと感じているようだ。国分市と澤井氏に話を聞いた。



容量が大幅拡大


――楽天市場の基本出店料の改定について、どのように考えるか?


国分:大変驚いたが、世の中の物価上昇の流れが背景にあるのかとも思った。

一方、商品の出品の際に画像の登録を行うための「キャビネット(容量)」が大幅に拡大されることも、同時に発表された。これが、出店店舗にとって、大きなメリットになると考えている。

ななぷれでは現在、「メガショッププラン」に契約している。商品点数は2万点程度だが、画像を登録できるキャビネットが5ギガバイト(GB)しかなかったため、容量が足りず、やむなく「メガショッププラン」に契約していた。

6月からは、「スタンダードプラン」のキャビネットの容量の上限が引き上がり、当社に必要な商品登録の際の画像の容量が確保できるようになる。登録可能な商品数の上限も引き上がり、5万点まで商品数を登録できるようになるようだ。

そのため、これまで「メガショッププラン」で契約していた多くの店舗が、「スタンダードプラン」で出店できるようになると考えられる。

つまり、実質値下げになる店舗も多いのではないか。

澤井:それぞれの店舗で立場が異なるということは、訴えたい。商品点数5万点以上の店舗は、実際にはあまりないと思う。

月商100万~300万円の規模で運営している企業にとって、月額1万5000円の負担増加は、影響が大きいと感じると思う。

ただ、この費用の増加がきっかけとなり、楽天市場のシステムはAIを導入し、店舗側もお客さま側も、メリットが大きくなるだろう。店舗が使用するサーバーの画像の容量も格段に増える。こうしたことによって、いままで取り組めなかった施策も実施できるようになるだろう。

トータルで考えると、必要最低限のコストでも、より多くのお客さまに自社の商品を知ってもらえるようになるのではないか。

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