2024.03.22

AZ-COM丸和HD、C&FロジHDの株式公開買付けで買収目指す 敵対的買収に進展か?

AZ-COM丸和ホールディングス(HD)は3月21日、C&Fロジホールディングス(HD)の子会社化を目的とする取引の一環として、公開買付けにより株式を取得すると発表し、詳細な提案を記載した意向表明書をC&FロジHDに提出した。C&FロジHDは今回の公開買付けに関して、AZ-CОМ丸和HDより事前の連絡を受けていないという。C&FロジHDは今後、公開買付けに関する意見を表明する予定だ。その内容によっては敵対的買収に進展する可能性もある。

AZ-COM丸和HDは3月21日開催の取締役会において、東京証券取引所プライム市場に上場しているC&FロジHDの普通株式を公開買付けにより取得することを決定し、取引に関する詳細な提案を記載した意向表明書をC&FロジHDに提出した。

C&FロジHDの完全子会社化を目的とする一連の取引の一環となり、東京証券取引所プライム市場に上場しているC&FロジHD株式の全てすべてを対象とする公開買付けを実施する。

AZ-COM丸和HDは、主として物流センター業務をコアとする3PL業務を展開。中でも小売業を中心としたEC(電子商取引)・常温物流、食品物流、医薬・医療物流に特化して事業展開を図っており、近年では災害が増加する日本において、災害時においても食料等の安定的な供給を可能とする「BCP物流」を第4の柱とするべく注力している。

AZ-COM丸和HDは、2022年10月17日にC&FロジHDに対して、両社の企業価値向上のための事業戦略面での協働、および経営統合を行うことを提案し、協議を行っていたが、C&FロジHDから真摯な検討姿勢が感じられないまま、2023年10月5日にC&FロジHD取締役会から経営統合提案に関する検討の中止を決定した旨の通知書を受領している。

当該通知書においては、「シナジーが限定的」「企業文化の相違」等の懸念点が検討中止の主な理由とされており、AZ-COM丸和HDは2024年1月上旬から中旬にかけてがこれらの懸念点について検証を重ねてきた。

その結果、こうした懸念点は想定されず、本経営統合提案はC&FロジHDにとっても大きなシナジーの創出が見込まれる提案であり、社会的課題でもある物流業界全体の課題の解決に資すると考えるに至り、2024年1月中旬に、本経営統合より、AZ-COM丸和HDがC&FロジHDを完全子会社化する方が、想定されるシナジーを早期に実現することが可能となり、両社の株主、顧客、従業員、およびその他ステークホルダーに大きな利益をもたらすとの結論に達した。

こうした事情からこのほど、C&FロジHDに対して、公開買付けによる株式取得の意向表明書を提出するとともに、その株主に対して意向表明書の内容、およびこれまでの経緯を理解してもらい、賛同を得るのに十分な検討期間を確保するため、今回の公開買い付け決定の発表に至ったとしている。

取引による買付けは、2024年5月上旬を目途に開始を予定しており、買付け価格は、1株あたり3000円、買付け予定数の下限は1084万8304株となる。





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