2024.03.08

【データに見る「ECの地殻変動」】<第24回>アマゾンの2023年流通総額は5.2兆円?

米国アマゾンは現地時間2月1日に2023年度の決算発表を行い同時にアニュアルレポートも公開した。毎年この時期に同社から発表される年度決算の内容を筆者はいつも楽しみにしている。全社的な決算内容もさることながらアニュアルレポートには日本の売上高が記載されているからだ。米ドルベースの数値であり適用した為替レートも非公開なのだが、日本の売上状況を具体的な数値で把握できる手段はこのアニュアルレポート以外筆者は知らない。

日本の数値の前にまずは決算内容全体を把握しよう。売上総額は5748億米ドルと前期比11.8%増となり、営業利益は139億米ドルと前年の赤字から大幅増となった。



売上総額の伸びに対してコスト総額は7.2%増と控えめである。コストをかなり抑制したのではないか。地域別でみると北米の営業利益は黒字だが北米を除く海外分はわずかに赤字。だがこれを北米分およびAWSの黒字で十分にカバーできているといった具合だ。全体としてはまあ盤石といっていいだろう。

興味深いのはEC売上高の中身について。自社EC売上高はわずか5.4%増である一方、マーケットプレイス手数料売上は19.0%と大幅増である。この傾向はずっと続いているので同社における自社EC比率は年々低下し、その分マーケットプレイス比率が年々上昇していることになる。

筆者の勝手な想像だが、マーケットプレイスと比較し、自社ECは何かと業務負荷が大きいのではと思う。売上高の伸びに従いマーケットプレイスの比率が高まるのは自然な気がする。

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