2024.02.19

Mirakl、2023年度のプラットフォームGMVは50%増の約1.3兆円 経常収益20%増を達成

Miraklはこのほど、2023年度の業績を発表し、継続的な成長と主力製品である「Mirakl Platform」が初の黒字化を達成したと発表した。「Mirakl Platform」を通じた年間流通金額(GMV)は86億ドル(約1兆3000億円)と、前年比50%増の記録的な成長を達成した。

Miraklは2023年度の業績を発表し、主だった項目として、Miraklが提供するマーケットプレイス・プラットフォームで取引されたGMVが86億ドル(約1兆3千億円)を突破し、前年比50%増という成長。MiraklのARRが約1億6000万ドル(約240億円)で20%増の堅調な成長。主力製品である「Mirakl Platform」が2023年第4四半期に黒字化を達成。顧客での運用段階に入った「Mirakl Ads」と「Mirakl Payout」による顧客におけるさらなる収益の機会の創出と、「Mirakl Suite」への「Target2Sell」の統合の完了による「Mirakl Ads」との相乗効果の実現。潜在的な買収資金を調達のため、1億ユーロ(約160億円)の回転信用枠の確保に成功したことを挙げた。

2023年のGMVについては、11月に月間GMVで過去最高額となる10億ドル(約1480億円)を達成するなど記録的な成長を見せた。2023年に30以上のMiraklを採用したプラットフォームがGMV1億ドル(約148億円)を突破し、企業が大規模かつ長期的な成長の実現を可能にするソリューションとして、市場のリーダーとしてのMiraklのポジショニングを確固たるものにしたとしている。さらに複数の事業者が初めて年間GMVで5億ドル(約740億円)を突破した。

新規顧客も伸長しており、2023年は、Asos、Baby Bunting、BestSecret、Bloomingdales、Business France、Cencora(旧AmerisourceBergen)、Driven Brands、Freedom Furniture、UFAなど、数十社の大手グローバル企業や急成長中の企業がMiraklのマーケットプレイス、ドロップシップ、パーソナライゼーション、ペイメント、カタログマネージメント機能を実装し、クライアントとなった。

さらにMiraklのマーケットプレイス・プラットフォームで販売するため、Aubert、Balmain、Burberry、Groupe Beaumanoir、Karcher、Songmics Home、Whirlpool、and Zadig & Voltaireなど、何百もの一流グローバルブランドが「Mirakl Connect」に加わった。

Miraklの共同創業者兼CEOのPhilippe Corrot氏は、「プラットフォームはeコマースの未来ですが、マーケットプレイスの構築は真のプラットフォームビジネス戦略の1要素に過ぎません。Miraklの一連のソリューションが成長することによって、私たちのお客様が、より包括的なアプローチを取り、成長と収益性を最大化させることが可能になります。『Mirakl Ads』の開始とHavasとの新たなグローバル・パートナーシップの締結によって、2024年に飛躍的に成長が望まれるリテールメディアのエコシステムにおいて、Miraklはリーディング・プレイヤーになることができます。当社の一連のソリューションが成長し、『Mirakl Platform』の成熟度が財務的に増すことで、Miraklの事業は持続可能かつ収益性の高いものとなり、マーケットプレイス運営事業者の新たな収益源獲得を支援するという独自の地位を確固たるものとしています」とコメントした。

同じく共同創業者兼CEOのAdrien Nussenbaum氏は、「2023年はMiraklにとって成熟の年でした。世界的なテック・エコシステムが高い市場圧力に直面したにもかかわらず、年間経常収益を大幅に増加し、財務的にも自立することができました。最も重要なことは、この成長がMiraklを利用してeコマースを展開する450社以上の企業に対して、当社が真の価値を創造していることを示しているということです。オンラインによる販売は2024年に成長すると予測されていますが、消費者の期待も同様に高まっており、顧客を惹きつけて売上につなげるために、企業はさらに厳しい競争を強いられています。決済から、パーソナライゼーション、広告、ドロップシップ、マーケットプレイス、カタログマネージメントまで、『Mirakl suite』は顧客のあらゆるニーズに対応し、デジタル世界での成功を支援します」と述べた。

その他、AIへの投資、リテールメディアにおける優位性の強化、製品のイノベーション促進、テクノロジーパートナーとしてのMiraklのリーダーシップの強化、社会と環境のサステナビリティに対するコミットメントの深化について公開した。


【AIへの投資を増加】

2023年、Miraklは「Mirakl suite」全体に「Artificial Mirakl Intelligence(AMI)」を導入し、AIにおけるリーダーシップの強化と顧客のAIのビジネス価値向上を果たした。

AMIは現在、「Mirakl Platform」「Mirakl Catalog Platform」「Mirakl Target2Sell」「Mirakl Ads」に採用している。「Mirakl Suite」における次世代の人工知能を代表するAMIは、もっとも重要な領域において高い信頼レベルと高品質のアウトプットを優先しており、すでにカタログのオンボーディングを14倍加速、パーソナライゼーションによるコンバージョンを15%増加、カスタマーケアのインシデント解決にかかる時間の90%短縮を実現している。

Miraklは、生成型人工知能(AI)を統合した初のマーケットプレイス・テクノロジー・プロバイダーであり、その顧客は生成型AIで開発された機能を通じ、商品カタログのデータ品質と完全性を高め、検索エンジンランキング(SEO)を向上、商品タイトル、説明、属性を最適化してコンバージョンを自動的に増やすことができる。AIを活用した翻訳により、マニュアル作業の労力とコストを削減、新たな地域での大規模な事業拡大も支援する。さらに「Mirakl AI」を使った他の新機能についても検討を行っている。


【リテールメディアにおける優位性の強化】

MiraklのAI搭載プラットフォームは、2023年の次世代リテールメディアをリードし、自社のユニークなポジショニングを活用して、月間約20億のWebサイトトラフィクに相当する450以上の企業と10万以上の販売事業者のエコシステムとをつないだ。2023年の「Mirakl Ads」の一般提供開始に続いて、リテールメディアにおけるテクノロジー・リーダーシップの拡大を続けている。

2023年9月以降、欧州および米国で新たに10社の企業が「Mirakl Ads」の契約を締結している。Havasグループとのグローバル・パートナーシップの開始により、最も強力な独立系リテールメディア・ネットワークが構築され、世界中のブランドにMiraklの最先端テクノロジー・スイートへのシームレスなアクセスを提供し、すでに100%の販売事業者がバックオフィスで「Mirakl Ads」に直接アクセスできる。


【製品のイノベーションを促進】

Miraklは2023年、ソリューション・スイートの革新、安定、安全性の強化を図った。2023年には、「Mirakl Ads」内のスポンサー製品の掲出、「Mirakl Platform」内の「Mirakl Insights」の開始、「Mirakl Catalog Platform」の導入などの主要製品のアップデートを含め、スイート全体で340以上の新機能と機能強化をリリースした。

サイバーウィーク商戦のピーク時には、Miraklは毎秒65件の注文を処理し、25億件のAPIコール(2022年比56%増)と340億件の製品アップデート(2022年比48%増)を処理しながらも、100%の稼働時間を維持した。

顧客での運用段階に入った「Mirakl Ads」と「Mirakl Payout」により、顧客における新たな収益の機会を創出するとともに、「Target2Sell」をMiraklの一連のソリューションに統合し、特に「Mirakl Ads」との新たな相乗効果を創出した。

事業継続管理の ISO 22301 認証を取得した最初のテクノロジー企業の1つとなり、ISO 27001、ISO 27018、SOC 1 Type II、SOC 2 Type IIの既存の認証に加え、市場で最も完全なセキュリティ認証を有するプロバイダーとしての地位を維持した。


【デジタルによる成長を推進するテクノロジーパートナーとしてMiraklのリーダーシップを強化】

2023年にテック・エコシステムにおける地位を向上させ、いくつかのエンタープライズ・テクノロジー、およびeコマースのリーダー企業との新たなパートナーシップを構築した。

「MACHアライアンス」の公式メンバーとなり、マイクロサービス主導のAPIファースト・プラットフォーム・アーキテクチャを採用。これにより、将来性のあるオープンかつ最高のエンタープライズ・テクノロジー・エコシステムを構築するというMiraklの長年のコミットメントを強化した。

製品データの収集、管理、強化ツールを提供する「Mirakl Catalog Platform」を立ち上げた。これによりサプライヤーカタログの統合がより迅速かつ柔軟になり、業務効率とバイヤー体験が向上した。

Amazon Multi-Channel Fulfillment、Adobe、Salesforce Commerce Cloud向けのコネクタを含む、「Mirakl Connect」を通じた販売事業者向けの新しいコネクタを導入。企業が自社のeコマースのバックオフィスからMirakl採用のマーケットプレイス・プラットフォームでの直接販売を可能とする方法を増やした。


【社会と環境のサステナビリティに対するMiraklのコミットメントを深化】

Miraklは2023年、初のエコバディス認証において、55/100点を獲得。61%台に入り、銅メダルを獲得しました。この実績は、自社の組織における「人権と社会的権利の擁護、および事業における最高の倫理基準の維持に取り組んでいること」「2020年以降、カーボン・ニュートラルのため環境問題への取り組みに積極的であること」の2つの重要な強みを象徴しているとし、この取り組みをさらに強化するため、2027年までにスコープ1と2の温室効果ガス(GHG)絶対排出量を30%削減するとした。




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