2023.11.21

Riskified、「EC事業者の90%が『返金・返品の悪用』の深刻な被害に」 世界規模のEC不正利用調査で明らかに

Riskifiedはこのほど、返品や返金のポリシーの悪用に関する調査を行った

不正検知ツールを提供するRiskified(リスキファイド)はこのほど、同社が世界規模で行った、ECサイトの「返金・返品ポリシーの悪用」などに関する調査結果を公表した。調査の結果、アンケートに回答した90%の企業が、「返金・返品ポリシーの悪用によって深刻な被害を被っている」と回答した。

具体的な被害としては、「届いた商品を使用したが、返品対応期間中なので返品した」「ECで注文した商品が届いているのに、『届いていない』と申告する」といった内容だ。返品された商品は、再販できずに廃棄となることが多く、「返品総額の50%しか回収できなかった」という回答が半数を占めたという。Riskifiedによると、ポリシーの悪用に対処するためにRiskifiedの自動判定を導入した1つのケースでは、年間60万ドル以上の不正を防止することができたという。



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https://bit.ly/policy_global_benchmarks_jp


 
Riskifiedはこのほど、調査会社のWBR Insightsと協力し、全世界で300社の企業の300人に対して、アンケート調査を行った。調査対象は、年間売上高が5億ドル(約750億円)の企業の管理職や部署責任者。ファストファッションやスポーツ用品、フードデリバリー、家電を扱う企業にヒアリングを行ったとしている。

資料によると、ポリシーを悪用した不正は、主に3つの種類に分けられるという。


① 不正な返品…不当な理由で返品を繰り返す。使用済みや破損した商品を返品する

② 不正なINR(商品未着)…注文した商品が届かないと虚偽申告して、払い戻しや代替品を得る

③ クーポンや特典の不正利用…1回の購入で複数のクーポンを使用する。複数のユーザーアカウントを作り、新規顧客向けのクーポンを悪用する。特典を受け取った後に商品を返品するなど。


アンケート結果によると、多くの小売事業者において、物価の高騰時や繁忙期に、「ポリシーを悪用した不正行為」が大幅に増加しているという。例えば、不正が増加する時期について、「夏の買い物シーズン」と回答したのが70%、「休暇シーズンに増加した」と回答したのが67%だったという。年末年始の休暇に合わせて増加した不正について、「不正な返品」が38%、「クーポンや特典の不正利用」が35%、「不正な商品未着」が41%だったとしている。

返品された商品の内、再販できずに廃棄となる数はかなり多いという。ほとんどの事業者において、「返品による損失の回収率は50%を切る」と回答していたとしている。アンケートの対象企業の多くが、「再販出来た商品は50%以下」と回答。67%が「返品総額の50%未満しか回収できなかった」と回答したという。

調査結果では、大多数の事業者が、返金・返品請求のほとんどを、手作業で確認していることが分かったという。そのため、返品処理には、コストと時間がかかるという。62%の事業者が、ポリシーの悪用に対処するための自動システムを導入していないことも分かったという。

Riskifiedによると、こうした返品・返金ポリシーの悪用の不正は、自動化と機械学習の活用によって、防ぐことが可能になるという。ある大手百貨店では、20人規模のチームを作って、不審なクレームの対応を行っていた。だが、その対応で拒否できるクレームは、0.8%程度にしか及ばなかったという。

同大手百貨店がRiskifiedのソリューションを導入したところ、10倍の不正なクレームを防ぐことに成功したという。金額にすると、年間1330万ドルの不正を防止したことに相当するとしている。

 

「ポリシーの悪用と事業者への影響」に関する資料はこちら
https://bit.ly/policy_global_benchmarks_jp








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