2023.06.05

紀伊國屋書店、ECサイトでも「新たな出会い」重視 100周年に向けVR店舗やオリジナルグッズでPR

新宿本店をVR化して若者や地方ユーザーに訴求

紀伊國屋書店は、ECサイトで本との「新たな出会い」を重視した販売を行っている。書店で本を買う体験を、ECでも体験できるような仕組みを作っている。

紀伊國屋書店は、2027年に100周年を迎える老舗。100周年に向けたプロジェクトを立ち上げ、準備を進めている。

ECサイトでは、書店ならではの売り方にこだわっている。「店頭に合わせてフェアを開催している。求めていたわけではない本を見つけるという体験を重視している」(ブランド戦略事業部・松倉建太朗氏)と言う。偶然性による本との新たな出会いをECでも提供している。

2023年4月には、VRを用いた取り組みにも着手した。新宿本店の店舗をVR化したもので、ECサイトと連携している。

「若い人や地方に住んでいる人に訴求するための取り組みだ。バーチャル店舗をきっかけに、新宿本店へ足を運んでほしい」(同)としている。売り上げアップよりも、PRを意識した施策だ。


▲バーチャル店舗

ECにおけるユーザー層や売れ筋商品の傾向には特徴があるという。「ECは男性ユーザーが多く、ライトな本が売れている」(同)。中でも、単行本セットなどよりも、コミックの売り上げが大きいと話す。

新宿本店では専門書の売れ行きが良く、その他の駅ビル店舗などでは女性のユーザーが多い。こうした実店舗の利用者と異なる傾向があるとしている。

コミックに関連したグッズもネット販売している。「人気漫画のコラボTシャツは、売れ行きも好調」(同)としている。書籍との親和性の高い商品だったことが要因になったとみている。

紀伊國屋書店のオリジナルグッズも展開する。トートバッグやブックカバーなどを展開し、これらも人気が高い。中でも「紙袋をベースにしたトートバッグが、予想外の売れ行きだった」(同)と話す。オリジナルグッズは今後も新しい商品を増やしていく考え。

今後も、書店ならではの見せ方で、ユーザーの獲得を進めていく。





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