昭和30年創業の中華料理店を運営する一品香は、ECサイトを強化し、若年層の顧客獲得に成功している。セット商品だけではなく、主力の「たんめん」などを1食から購入できるようにするなど買いやすさを向上させた。若年層向けの商品や販促を拡充することで新規顧客の獲得につながっている。
中華料理店「横濱一品香」は「横濱たんめん」発祥の店だという。実店舗はいつも常連客でにぎわっている。
「来店客の大半は、50~60代。ネットにあまり慣れていない世代のため、既存顧客にECサイトの利用を促すのは難しい」(商品部 若林秀介氏)と考えたと言う。
ECサイトの顧客獲得のため、若年層へのアプローチに力を入れている。
▲横濱一品香 元祖絶品たんめん運営する実店舗の中で、最も若い顧客層を持つ「ららぽーと横浜店」の販売動向をECサイトの商品展開にも反映している。
「『ららぽーと横浜店』はシーズンごとの商品やイベント、フェアにポジティブな顧客が多い。『秋の台湾フェア 台湾夜市』を店舗で実施したところ、反応が良かったため、ECサイトの販促にも取り入れた」(同)と話す。
台湾フェアで提供した魯肉飯(ルーローハン)は認知度が高く、実店舗でもECサイトでもよく売れたという。
若年層に合った商品を積極的に取り扱い、SNSで訴求している。インスタグラムを活用し、新商品の紹介や詳細を説明しているという。
インスタグラムでは、期間限定のクーポンや、盛り付けのフォトコンテストのキャンペーンも実施している。店名にちなんで”1の付く日は横濱一品香の日”として、クーポンを配布するなど工夫している。
ECサイトのさらなる売り上げ拡大策として、2022年からおせちの販売を開始した。「はや得」というキャンペーンを実施し、期間内に予約注文した人に向けてお得なクーポンを提供している。
実店舗で使える3000円分の金券に加えて、リピーターには追加で1000円割引きを実施した。ECサイトで5980円(税込)以上の購入で利用できる、3000円の割引も追加で提供している。
リピーターと新規顧客の双方にお得なキャンペーンを実施することで購買を促している。
横浜市内にしか店舗を構えていないため、市外の顧客にECサイトの認知度を高めることが課題だという。
「ローカルでありながら、ジャパナイズ(日本風に)されているという軸をぶらさず、多くの人に知ってもらいたい。一品香らしい中華の味を提供していきたい」(同)と言う。