2022.10.25

ステマ検討会、「ステマ」を告示で指定へ これまでの論点整理を発表

消費者庁は10月25日に開催した、ステルスマーケティングに関する検討会(以下、ステマ検討会)の第5回会合で、ステマ広告を、景品表示法の告示による規制に加える方向であることを明らかにした。ステマ広告が、課徴金納付命令の対象とならない可能性が高まった。委員からは、「インターネットの表示を優先するべきだ」との声も上がった

同会合では事務局である消費者庁表示対策課が、「主な検討事項のこれまでの整理と今後の検討の視点」をまとめた資料を公表した。資料では、ステマを「広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すこと」と定義。景品表示法5条3号の、告示による禁止行為の一つとして、ステマを指定する方向性を示した。ステマを告示に指定した場合、違反事業者に課徴金の納付命令を行わないことなども議論に上がった。

公表した資料では、ステマ規制に関する今後の検討の視点として ①一般的・包括的な規制とせざるをえないのではないか ②景表法5条3号の告示に新たに指定するということが考えられる ③規制の対象となる「表示」の範囲をどのように考えるか ④事業者の予見可能性のために、運用基準の策定を行う必要があるのではないか――といった点が示された。

②については、ステマであっても、「その表示に優良誤認・有利誤認表示があれば、現行法でも規制可能」と指摘。ただ、優良誤認や有利誤認に該当しないもので、「広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すこと自体は優良誤認表示や有利誤認表示と同等の行為といえるか」と、これまでの論点を整理している。

消費者庁は、これまでのステマ検討会の議論について、「告示に新たに追加することが現実的だとする委員の意見が多かった」(表示対策課)と総括している。

景表法5条3項の告示に指定された類型は、現行法では課徴金納付命令の対象にはならない。ステマが新たに告示として指定される場合、違反が認定された事業者の社名は公表されるが、課徴金納付命令は行われないことになるとみられる。

③の表示の対象範囲については、委員から、「インターネットの表示を優先的に規制すべきだ」「テレビなどのマスメディア4媒体の表示も規制すべきだ」などといった意見が出され、意見が分かれた。今後の検討会で、規制の対象範囲を明確にしていくことになりそうだ。





RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事