2022.07.16

社会貢献型の食品ECサイト「Kuradashi」、6月の売上2倍で会員34万人突破 行政連携やデジマを駆使

河村晃平取締役執行役CEO

社会貢献型の食品ECサイト「Kuradashi(クラダシ)」を運営するクラダシの成長が続いている。2022年5月時点で会員数は34万人を突破。2022年6月期の売上高も前期比約100%増に達する見通しだ。行政との連携やデジタルマーケティングなどを駆使し、成長につなげている。
 
「Kuradashi」は、食品ロスの削減を目的としている。消費期限間近や季節限定、パッケージ変更など廃棄される可能性のある食品ロス商品をメーカーから協賛価格で買い取り、最大97%オフで会員に販売する。売り上げの一部は、社会貢献団体に寄付している。
 
コロナ禍に食品ECの利用者が増加したこともあり、安定的に事業が拡大している。ただ、2015年のサイト開設当初は、SDGs(持続可能な開発目標)という言葉も浸透しておらず、サービスの認知度向上に苦労したという。
 
状況を打破するため、農林水産省や消費者庁、環境庁などへロビー活動(特定の主張を有する団体が政府の政策に影響を及ぼすことを目的として行う私的な政治活動)を行った。
 
「食品ロスは日本の各省庁に関わりがある課題だ。各省庁と連携することにより、さまざまな方法で全国の消費者に当社の取り組みを知ってもらうことができた。メーカー、消費者、社会貢献団体の3者に利益がある独自の仕組みが評価され、購入者の増加につながった」(河村晃平取締役執行役CEO)と説明する。
 
コロナ禍の巣ごもり需要の拡大や、「食品ロス」という言葉の浸透を受け、2021年8月からデジタルマーケティングを強化している。リスティング広告やSNS広告の運用を本格的に開始。広告に「食品ロス対象商品」を掲載し、購入を促した。
 
「食品ロス商品は賞味期限が早く、取り扱いが難しい。とにかく早めに販促を行い、売り逃しがないように努めている」(同)と話す。


「Kuradashi」
https://kuradashi.jp/




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